柳影澤蛍火
末は博士か大臣か・・・立身出世は男の野望
なんていうコモンセンスだかコンセンサスだか・・(イッケナイNHKでもないのにカタカナを多用しちゃってるよ)
キョービの男子に欠けているのはソレやね。
で、そこいらじゅう見渡しても腑抜けの、上昇志向のない、ちんまりした。おとなしく、優しく、油っ気のない「をのこ」ばっかりです。
林真理子でなくっても「野心」をすすめたくなりますわ。
青年よ!欲をだせ!
ところが、この「出世欲」正しく出さないとドエライことになる諸刃の剣。なのでございます。
と、言うのがこのお話
「柳影澤蛍火」(やなぎかげさわのほたるび)
初演、昭和45年という新作物で、2回めが昭和51年。いずれも実川延若の柳沢吉保。おさめの方は初演・芝翫。2回め・扇雀(当時)だったそうです。
延若この頃、50代前半。油の乗った時期といえます。もしかしたら「延若」ありきで書かれたのかなと思いました。
彼が関西に定着していれば今の関西歌舞伎がもっと重厚になっていたように思いますが残念なことに土俵がなかった。関西そのものに歌舞伎を受け入れる土壌が育っていなかったということです。
話が横道にそれましたが、今回は実に37年ぶり3回目の上演です。
・・・・ということは・・ど素人のおたまでも判りきったこと。
そ~んなに、評判を取ったわけでもなく。良く出来た本でもなかった・・・んじゃね?ってことですわ。
期待(?)どおり、話の展開は冗長で(よく言えば丁寧)華もない。
出世のためのはかりごとの部分は面白かったけど、悪ならワルをとことん描かないと・・・結構、悪を重ねていくのに、サラリとしてて(演者のせいか?)みている方は、最後に毒を盛るおさめの方に肩入れをしなきゃいけないんだろうけど、気持ちがそこまでたどりつけません。
あっそう・・・って感じ。
権謀術数のモロモロをもっとエグく描いて欲しかったわ(あたしゃMか!)
観客に「柳沢サイテー」でも「ちょぴりワカル」・・って思わせて欲しかったわ。
ということで、ストーリー紹介は超ザックリと。
「老中・柳沢吉保。出世物語」 です。
柳沢吉保/橋之助・・出世のためなら女も泣かす。それがどうした文句があるか。のし上っていく野望をもっとギラギラに見せて欲しかったです。
おさめ/福助・・児太郎時代の例えば名月八幡祭の美代吉など美形であるのは申し分なくても、あの・声・・甲高いばっかりの・・が、あまり好きではなかったのですが、今回観た福助は夜の部の土手のお六の伝法さといい、この、おさめの方の娘時代と側室の演じ分け(特に声の)といい、魅力を感じました。
艶やかさは天賦のものでしょう。
桂昌院/秀太郎・・最近観た秀太郎の中で最も気に入りました。色情過多が生臭くって良かったです。嬉しそうに演じておられたのでは?「上り詰めた」代名詞である桂昌院の愚かしさと哀れな結末。
前にも秀太郎のことで書いたとおもうけど、「絶対、いるよねこんな人」と思わせてくれる。今回もそうでした。
護持院隆光/扇雀 徳川綱吉/翫雀 お伝の方/孝太郎
篠原数馬/薪車 成瀬金吾/吉弥 権太夫/亀蔵
そういえば、松嶋屋ファミリーのなかでリン。だけ出ていなかったわ。
謹慎中かしら・・・( ´艸`)プププ
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