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2024年7月

2024年7月15日 (月)

自句自解348 一番船島に着き・・



  

    一番船島に着きけり鰡跳ねる
(いちばんぶね しまにつきけり ぼらはねる)2011・7月

 

海の傍に住む人なら珍しくもなんともない風景でしょうが
山住まいのわれわれは(釣りが趣味の男性を除いて)初めての光景に驚き、そしておおいに喜びました。
50㎝ほどの大きな魚が突然海中から飛び出すのです。
飛び魚のように群れを成して颯爽ととんでいるのではなく、なんだか各々好きなように跳ねあがってはボテンボテンと、海中に沈む。

季語・(ぼら)三秋

われわれが見たのは七月の兵庫県家島でした
は秋の季語です
この時期(7月)は浅瀬や湾内で水底の小さな虫(有機物)を食べているため泥臭いが
秋になれば泥臭が消え脂がのり美味くなるのだそうです
それで「秋の季語」になっているのかな。

ちなみに、鰡は出世魚であり、成長に従って名前が変化していく。♫いなせだね夏を連れてきた人の「いなせ」も鰡が由来。
最大級のラスボスを「とど」といい
「とどのつまり」の語源でもあります(へ~知らんかったわ)

水面を切って飛ぶ姿はなかなか迫力があり、丁度入って来た一番船に挨拶をしているように思えました。

 


気持ちのいい朝の散歩でした。
昨夜見た月や浜辺や夜光虫の話をしました。
I氏の携帯が鳴り、東京の息子さんから今朝がた赤ん坊が生まれたという知らせでした。
朝食のため宿へ戻り、クリスチャンのS郎ちゃんが祝福のお祈りをしてくれました。
出世魚を見たし、その赤ん坊は縁起のいい子だとみんなで話しました。


 

ほな。

次回更新は8月1日の予定です。
猛暑をお元気に乗り越えて下さいね。生きてお目にかかりませう。


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2024年7月14日 (日)

自句自解347 緑陰にドロツプ・・



  

   緑陰にドロツプ缶の廻り来る
(りょくいんに どろっぷかんのまわりくる)2020・7月

 

季語・緑陰(三夏)
夏の豊かに茂った大樹が作る木陰。


いつものように、グループで吟行
夏の外歩きで、緑陰をみつける。広い公園やお宮の庭などで。
夏の木陰は太陽の強さのせいか影が濃ゆい。
暑さを逃れた木の下で一息つく。
ホッとしたところに誰が持ってきたのかサクマのドロップ缶が回って来た。
何故だか誰もが必ず缶を振る。懐かしい音。嬉しい音。
何色が出てくるのだろう。
ちなみに、子どもの頃の私は「白」がでるとがっかりした
「白」はハッカ味。
今は一番好きな味。

 

 

ほな。


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2024年7月13日 (土)

自句自解346 教会の書架・・



 

    教会の書架に歎異抄あり涼し
(きょうかいのしょかにたんにしょうあり すずし)2010・7月

 

マザーテレサが来日された際、宿泊された教会が宝塚にあり
その教会は句仲間のS郎ちゃん一家が熱心に通う教会でもありました。

その教会の小さな図書室の棚に「歎異抄」を見つけました。
歎異抄は鎌倉時代のおわり、今から800年の昔に親鸞聖人のお弟子さんによって書かれたものだそうです。

師の教えがここにあるとするじゃない?
で、ここに100人のお弟子さんが居るとするでしょ
師の言葉は一つであるはずなのに100通りに受け止められる。
解釈のひろがりは本来の教えから離れてゆく
それがどんどん広まると、「え~、そんなこと聖人様は言うてはった?」となる
そらあかん。あきません。そんなこと言うたはらしません
と異を唱えたのが「歎異抄」だそうです。
800年もまえにボイスレコーダーもないしね。
もし、自分の言いたいこと(教え)が曲げて受け取られて広まっていたら、そらあ親鸞さん嘆かはると思いますわ。

「はじめに言葉ありき」と始まる聖書はどうなんやろ・・
子どもの頃教会で聖書のお話をいっぱい聞いたけど・・・ほぼほぼ、忘れてる。
うち、浄土真宗やけど、どんな教えなのか・・よう知らん(;^ω^)

こんな感じでAFOのまま死んでいくんやわ。あたし・・悲しい・・
俳句の紹介するつもりが、悲しい話になってしもうた。

 

季語・涼し(三夏)
季語「涼し」は季節感としての涼しさだけではなく
心の透明感。澄んだ感じを表す。
キリスト教の教会に仏教の本があった。外国語の難しそうな経典に挟まれた「歎異抄」
宗教の懐の深さにちょっと「涼しさ」を感じました
って、わかっていそうなことを言うてしもた((*ノωノ)

書架・・本棚

 

 

 

ほな。


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2024年7月12日 (金)

自句自解345 ながいこと待たされ・・



  

  ながいこと待たされている扇子かな
(ながいことまたされている せんすかな)2015・7月

 

どういう場面で作ったのかまったく思い出せないので
もしかしたら、兼題に困ってテレビ見て作ったのかもしれない(邪道)

例えば長考に入った棋士とかね。
NHK教育テレビ、そんなもん(長考場面)飛ばさはるやろう

例えばお店のお勘定を回収に来たクラブのママとかね。
今どきオフィスに押しかけられる社用族は絶滅してるわね

・・・・

季語・扇子(三夏)
音ひとつしない対局場面、あるいはお茶を出されてそれっきりの会社の応接室
・・と「パチリ」扇子を閉じる音。静寂を突き破る「パチリ」
怖いねえ・・(以上妄想)

 

男女とも扇子を使う方少なくなりましたね。
私ら小さい頃、おじさんっちゅうたら扇子使ってはった。
おじさんから仁丹の香りがした。


今は「ハンディファン」ってんですか?小型扇風機。
若い娘っ子が顔の前に当ててます。
みっともないっちゅうねん!色気もなにもあったもんやおへん。
低い鼻にば~~~と風当ててね。


お扇子を持ちなはれ!扇子を。
それを帯どめの辺りでパタパタと使うんどす。

うちら、舞子はんとちがいます!!

また、口答えする。
可愛いないし、ああ、暑苦し!
と、ハンディファンを顔に当てるアタクシ
「われわれは・・宇宙人だ・・」

ばばばばばば・・・

誰がババアやねん!

 

 

 

ほな。


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2024年7月11日 (木)

自句自解344 肩先の触るる・・・



  

      肩先の触るる高椅子ソーダ水
(かたさきのふるるたかいす そーだすい)2022・7月

 

もう何年も前だけど
句会でご一緒するM子さんと「恋の句」を作る約束をしました
毎月句会へ持って行く5句のうち1句だけ「恋の句」を混ぜましょうって。


とてもお可愛らしくて、チャーミングな女性でした。
なかなか素敵な句を出されます。
「M子さんご経験が豊富なんですね」といえば
「あ~た。(作るのに)行き詰って歌謡曲から引っ張って来たのよ」
とホホと笑われる。

そんな二人だけの内緒の遊びも、あのコロナで句会が途切れがちになったり士気が落ちたりして
M子さんは句会から退かれ・・・終わりを告げました。

メールで時々やり取りをしていましたが
最近、句会へ復帰。嬉し♡
「やっぱり皆さんとやる方が楽しいわ!」とのこと
80代後半に入られたそうです。

恋の句ねえ
見たこと経験したことしか俳句にしてこなかったので、いくらアタクシが妄想好きでも無理があります。
特に恋には縁遠い、無味乾燥パッサパサの女です。


上の句⇑⇑⇑ 韓国ドラマみながらコレが精いっぱいやね。

もじもじすると椅子が勝手に回っちゃう(妄想)

 

季語・ソーダ水(三夏)

 

 

 

 

ほな。


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2024年7月10日 (水)

自句自解343 朝曇ハードロックに・・



  

   朝曇ハードロックに洗顔す
(あさぐもり ハードロックにせんがんす)2023・7月

 

季語・朝曇(晩夏)

朝曇りなんかにビビらず
むしろ、来るなら来い炎暑
てなもんです
なぜならアタシはロッキンローラーだから
何でもかんでもシェゲナベーベーだぜ

 

朝の食卓で聖書の言葉に心を洗われるまえに
顔を洗う
激しくシャウトしながら・・

BGMは 持ちの論「人見元基」だぜい
もし、わたくしに権力があれば、この人の声を重要無形文化財保持者として国に登録したい
人間国宝やね。
時々、この人の声ギターやん!と思う。
それもエリックジョンソンのあの圧倒的な美しい音色ね。

ヤラれてる?暑さで、とうとう・・自分。
神仏の言葉はとことん届かないあたくしだけど
彼の声に琴線がブルンブルン震える

人見元基、長生きしてくれい!なんなら拝み倒したい

テンキュ!

 

 

ほな。


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2024年7月 9日 (火)

自句自解342 日めくりに聖書の・・



 

   日めくりに聖書の言葉朝ぐもり
(ひめくりにせいしょのことば あさぐもり)2021・7月

 

季語・朝曇(晩夏)
夏の日の朝、靄に包まれたようにどんよりと曇っていることがあります
こんな日は決まって、炎暑に見舞われるのです。
そして、前日も、猛暑・酷暑の一日だったはず。この強い日射が水蒸気の上昇をを生み夜明けの冷却作用によって「朝曇り」を発生させるのだそうです。
暑さのせいで眠れない夜を過ごし頭の中もどんより。
うわ~今日も暑くなるなあ とどよよ~んとした空気の中で思う・・ってのが「朝曇り」です

 

大好きなキヨ子さんから毎年教会のカレンダーをいただいた。
キヨ子さん亡きあとは息子さんが送って下さる。
日めくりではないけれど、使い勝手がよく使わせていただいている
聖書の言葉はよぐわがんねけど、
それはきっと、私の心が汚れているから心に響かないんだろう。

ついでに うちのお寺さんが年末に持って来て下さるカレンダーはお仏壇の横にぶら下げている
こちらは月ごとに阿弥陀様のおしえや信徒(門徒)の心構えみたいなことが五七五調の標語で書いてある
意味?よぐわがんね。これも私が汚れているせいだわ。クスン。

 

毎朝こうやって心を洗われ、ワタクシは一日を迎えるのであります。
今日も暑いぞ。ありがたいぞ。

 

ほな。


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2024年7月 8日 (月)

自句自解341 幕間の夏帯の・・



 

   幕間の夏帯の鯉席を立つ
(まくあいの なつおびのこい席を立つ)2015・7月

 

先週の事です。
「急に行けなくなったから」と、手元にプレゼントのチケットが回ってきました。

歌舞伎はもう卒業や!と公言していたけれど
孝夫ちゃん(片岡仁左衛門)ですもの。有難く行って参りました。

卒業・・もう、散々、十分に、長い間、観てきたからエエか!
街に出るのもおっくうだわ
という気分が強かったのです。
コロナの感染拡大でしばらく離れていたことが大きいです

その間に好きな役者さん。観たいと思う役者さんがが亡くなられたり消えたり・・

(歌舞伎観劇記録はメインブログのほうに書いておこうかなと思っています。
実はコロナの3年間に数回は行っているのですが、ブログに書く気力が無くて・・
書かなければ観劇や記憶が薄れてしまっています)

・・・・

わたしにとって、歌舞伎観劇は心浮きたつワクワクの特別な「ハレ」の出来事なんです。
少しお洒落をして、バッグの中にはレースのハンケチなんか入れて
ハンチです!
お弁当だってなだ万の幕の内、買っちゃいます。

 

上の句ですが、もう9年もまえのことです。嬉しそうに夏芝居を観に行っております。
休憩時間になって前の席の和服の女性が椅子からスッと立ち上がられました。
鯉が描かれた粋な夏帯にハッとしました。
明らかに玄人筋のかたでしょう。
何処の水使うたらこんなに垢抜けするんやろ!
後ろ姿の美しさ!
これやから、お芝居見物って楽しいねん。

季語・夏帯(三夏)

 

 

で、先日の松竹座ですがね

それって、潮干狩りに行くカッコやんか。
リュックにショートパンツにサンダル履き。

よろしいのですよ、法に触れるわけじゃないから
裸ならお巡りさん呼ぶけど
何をお召しになろうとその方の自由。
TPOなんてくそくらえ雲古い召し上がれ

・・・・・
そうなんだけど、なんか悲しい。


お芝居楽しむのに形から入り過ぎやろか・・あたし
歌舞伎の敷居が低くなってファンとしては喜ぶべきなんやろうか


もし生きていたら121歳のお祖母ちゃんがよく言うてました。
一階席やったら「柔らかもん(絹)」いくら高価でも「紬や大島」の時は二階より上で観るもんやで・・
お着物TPOの心得ざんす。


そんな、もう古いんやなあ・・おばあちゃん。

 

 

ほな。


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2024年7月 7日 (日)

自句自解340 万緑や湖に・・



 

   万緑や湖に突き出し天狗岩
(ばんりょくや うみにつきだしてんぐいわ)2005・6月

 

ハイッ!奥様(宮尾すすむ風に)
万緑シリーズ(シリーズやったんや・・)第三弾最終回です
当然ながら滋賀県は近江八幡市の景色です。

〇〇や と季語を切り(詠嘆し)
下五(しもご)を名詞で押さえる
絵にかいたような、初心者入門書の前から10ページ以内に書いてある作り方です。
こうやっときゃ、格好はついとります。大きな失敗はないです。
季語で大きく背景を、中七下五でグッと手前の・・そそ自分に引き寄せて・・
どうだ?(いかがですか?)奥様。
チョロイもんでっせ。楽しうございますよ。俳句。

上の句なんて、緑の山と湖と岩しかありません。

青い空や白い雲が見える人は見える。
透明な空気・まばゆいお日様の光・夏の風を感じられる人は感じる
力強い山々が勇気と元気と希望を呉れる。
なぜならば、季語「万緑」の中にそれらが全て詰まっているからです。
生命力の逞しさ、豊かさ。
突き出している天狗岩が万緑に応えているようでしょ?

と、自分の句をこんなふうに語るのはお馬鹿さんなんですよ
わたし、サイテーな女です。
第一、あの岩が「天狗岩」という名前なのかどうかも????です。
湖(みずうみ)を(うみ)と読ませるのだって、字数の都合です。
姑息?ハイハイそうかもしれません。
色んなことを考えていると悲しくなったので今日はこのへんで・・

お昼は、冷やしソーメンでも作って食べます。

 

季語・万緑(三夏)

 

 

ほな。


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2024年7月 6日 (土)

自句自解339 万緑の入口・・



 

   万緑の入口なりし丹の鳥居
(ばんりょくのいりぐちなりし にのとりい)2005・6月 

 

昨日の№338と同じ時に詠んでいます
「丹」というのは「あか」のこと
丹頂鶴っているでしょ?
あの頭のテッペンのベレー帽みたいな「あか」
牡丹の丹もこの「あか」だとおもう(知らんで)

長命寺は本当に高いお山の上にあります
天辺ではありません。中腹です。
遠くから見ると深い深い緑色の真ん中あたりにポンとあかい鳥居が見えました
まるでそこが山の中に入る入口のように。

 

昨日の謎が解けました。同じ時に
 「逆光の湖周道路や麦の秋」
というパッとしない(だからと言って他がパッとしているわけではない)句を作っていました。
それで思い出しました。
麦の秋というのは丁度この頃の季語で、麦畑が見えて青田も見える美しい景色のことを会話したのです。
誰と???ひっちゃん(夫)とです。


言うて悪いけど、夫は花鳥風月になんの興味も関心もない男でした。
しかしながら、「ほんまやなあ。そうやなあ」とあいづちは打ってくれました。

そう。私たちは彼が亡くなる数週間前に長命寺のすそ野ををドライブした(模様)です。
この時山の上(長命寺)にお参りしてたら、夫はまだ生きているかしら
な~んてね。
屁のツッパリにもならないことをチラッと思いましたよ

 

季語・万緑(三夏)

 

ほな。


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2024年7月 5日 (金)

自句自解338 万緑の上の上・・



 

   万緑の上の上なる長命寺
(ばんりょくのうえのうえなる ちょうめいじ)2005・6月

 

滋賀県近江八幡市にある長命寺
私の記憶が正しければ都合3回訪れています。


最初は、20歳前後だったですよ。
若者がそんな渋いチョイスをするわけはないので、琵琶湖へ海水浴に行ったついでか何かだったのでしょう。
眼下に琵琶湖がキラキラと広がって
いつかまた来たいなと思ったことだけはしっかり覚えています。

二度目は写真が残っているんだけれど、ひっちゃん(夫)と赤ん坊(長男)を抱いた私と夫の両親と私の母の計6人
近江八幡でみんなで一泊したですよ。
親たちはみんな、50代前半だったと思うけどあの808段の階段をのぼったのか!

そして、問題の・・というか上の句を詠んだ三回目
それがねえ、全く何もわからない。覚えていない

山を振り返って万緑のかたまりを見た。あんな高いところ・・と言った。だれに?

私は誰と行ったんだろう
近江の田んぼが美しかった。それは覚えている
いや、山には上っていないのかも知れない
山の裾を走っただけ?
本当に何も思い出せずに俳句だけがいくつか残っている。

 

夫が亡くなったのが2005年6月
直前まで元気に生きていた(当たり前だけど)あの人とドライブをしたのか?
「おじいちゃんたちと行った長命寺に行ってみようよ」とか何とかいいながら
「長命寺」・・意味ありすぎやん!

葬式の後に息子のどちらかに
「行ってみたいわ~連れってって・・」と頼んだのだろうか
俳句は車から見た景色。自分で運転はしていない。
この日琵琶湖を見下ろした記憶もないのできっと山に登らずに下から眺めたのだろう
生命力あふれる万緑がキラキラ輝くのを。
幾ら私が呑気なオッペケペでも、この時期「長距離ドライブ」に行くかねえ。
幾らポンコツの息子でも「いさめる」やろ??

本当に何も覚えていないわ

 

季語・万緑(三夏)
中村草田男の「万緑の中や吾子の歯生え初むる」の一句をもってこの季語が定着したと言われています。
真夏の濃ゆい緑色の草木は力強くたくましく万の力をイメージさせます。

 

 

ほな。


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2024年7月 4日 (木)

自句自解337 青梅雨や積み木の・・



 

  青梅雨や積み木の駅に汽車の着く
(あおつゆや 積み木の駅に汽車の着く)2014・7月

 

季語・青梅雨(仲夏)

外は雨、お家の中で遊ぶしかないG坊は繰り返し繰り返し積み木の汽車を走らせます。
青梅雨(でた!)白く煙るぼんやりした風景がもう、遥か遥か昔のことのようです。

まあ、人の子(ったって子の子だけど)は、あっという間におおきくなりますね
我が子はもっと時間がかかったような気します。
G坊は当時、長いものを見ればそれは全て列車で、サランラップの箱でも30㎝もの差しでも「ガタンゴトン、ガタンゴトン」とブツブツ言いながら走らせていました。

犬も食わない?猫が後ろ足で砂をかける?孫俳句ですが
彼らが18歳になった時、小さな冊子にまとめて渡そうかと思います。
「いや~~それ いらんわ」って言われるかしら・・てへ

 

 

ほな。


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2024年7月 3日 (水)

自句自解336 帯締の結び目・・



  

   帯締の結び目固き緑梅雨
(おびじめのむすびめかたき みどりつゆ)2014・7月

 

334青・335青ときて本日はです
昨日申しましたように「青梅雨」は独立した季語としてありますが
「緑梅雨」は今のところ季語にはなっていないようです
なぜならば、「詩」だから・・うぷ。よくわかんね
なので。本日の 季語は・梅雨(仲夏)ということになります。

でもね、ウチの先生(当時の)は「緑梅雨」を季語としてこの句を採って下さったようです
季語は流動的、大同小異・寄らば大樹 みんなで言えば怖くない。
昨日の解説の先生は
「青梅雨」は詩心を動かされるが
「緑(みどり)梅雨」は言い切り過ぎた感じがする
とおっしゃっています。

・・・・・・・

 

ここまで書いてきて、これを読んでくださっている奥様!
ど~~~~でもええわ って思うてはるやろなあ・・
とワタクシ。

もう少しの辛抱です。ついて来てください。

 

同じ夏の季語に緑雨(りょくう)があります
夏の雨(三夏)の傍題です。サッと降ってサッと止む夏の明るい雨を表す素敵な季語です。
上のあたしの句(下五)は「緑雨かな」でもよかったわけです。
でもそれでは奥様、
じと~っとした。女の情念は表現できません事よ
(♫ここで火曜サスペンス劇場のテーマ曲)

帯締めは和装小物のなかでもすご~く意味ありげ。
色んなものを縛る・・帯だけではないいろんなもの(ふっ)

緑雨はその場限りの短時間。梅雨は持続する時間。
じわ~と湿って来る。きつく締まる・・(怖いでしょ~)
梅雨だけど緑でちょっち救われるそんな気分に「緑梅雨」はもってこい!
ってわけです。

 

妄想しながら色々な事考えて、俳句作ってんですよこれでも
(よくスベルけど)
決して字数(じかず)で決めてるわけじゃないのだ!
ということを全世界に向けここに発信いたします(キリッ)

ど~~~~でもええわ
(さよか)

 

ほな。


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2024年7月 2日 (火)

自句自解335 青梅雨や軋みて・・



 

  青梅雨や軋みて開くワイン蔵
(あおつゆや きしみてひらくわいんぐら)2015・6月

 

うっとこと違いますよ。
(うっとこ→ウチのとこ→私んち) 

うちにそんな豪華なもん(ワイン蔵)はおへん!
宝塚のとあるお屋敷へ伺ったときに作りました。
きょーび(今)のお金持ちってタワーマンションってんですか?高いところに住みはるでしょ。
大正・昭和初期のお金持ちは広い敷地に美しい洋館を建てたのね
庭の隅に石造りのワイン蔵がありました。
デザインが可愛いんです。親子三人、十分住めるわ!くらいの広さです
出入り口の扉や窓枠が青色のペンキで塗ってありました。

 

季語・青梅雨(仲夏)
「梅雨」のつく季語はたくさんありますが、この青梅雨は「梅雨」の傍題ではなく、独立した季語として歳時記に載っています。
古代から日本人にとって色に対する概念(感受性?)は独特なものがあります


歳時記によると「青」は「漠」を意味していたとのことです。
漠とは漠然とした灰色がかった「白」 え?白なんかいっ
現代では青葉の頃の梅雨と解することが多い。とのこと。
え?青葉って「緑」やん!
解説の先生は「青」は「緑」まで成熟しきっていない若さをかんじさせる
と言うてはります。
へ~そうなんや。日本語の「色」はあいまいだが詩性をすでにもっている。とも。
へ~そうなんや

明日から信号機のアレは、明らかに緑色なのに、なぜに「青信号」というのだろう・・などと
「青菜に塩」は「緑色の菜っ葉に塩」とちがうんかい!などと
「緑の黒髪」ってなんやねん!などと
野暮ったい屁理屈をかますのは止めようと思います。
詩です。ポエムなのです。

先月は酒蔵の階段を軋ませた句を紹介しました
(ぜ~んぜん覚えていない?そうでしょうとも)
で、今月はワインの扉が軋んでおります
梅雨だからね、アルコールだからね、 わけわかめ?

エエんと違いますか。詩です。ポエムです。

 

ほな。


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2024年7月 1日 (月)

自句自解334 青羊歯や山の・・



  

    青羊歯や山の社を遠拝み
(あおしだや やまのやしろをとおおがみ)2008・7月

 

以前はよく里山歩きをしました。
その経験が俳句つくりに少しは役立っていると思います。
何気なく教えてもらった植物の名前や習性。
近隣の里山には希少な植物の群生地などがあります。
静かな奥地にひっそりと咲く可憐な山野草に出会ったときの感動は忘れられません。

人生の先輩によく連れて行ってもらいました。
私が30~40代。その方、Tさんは60代になられていたかと思います。
山が大好きで、大きな山にはもう行けないけれど里山もこよなく愛しておられました。

「この羊歯(しだ)が群生しているのは山が深いということ。〇〇が近くにあるという事よ」
そんな風に教えてもらった記憶があります。
上の句は、鉱脈に沿って流れる川のある場所。
山の上に向かって参道である階段が続き頂上に古い鳥居とお社が見えました。


数年前に亡くなられましたが、あとから娘さんに
「おたまさんの車に乗せてもらってあっちこち行ったわ。楽しかった」
と、母がよく申しておりましたとお聞きしました。

ながらく認知症を患われて、私の呼びかけにも首をかしげて微笑むだけになっておられました。
こちらこそ楽しかったです。ありがとうございました。

 

季語・青羊歯(三夏)

 

 

7月が始まりました。また半月お付き合いいただければ嬉しいです
ほな。


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しばらくの間、俳句(自句自解)に特化して書きます
自分の覚え書きです。
2022秋

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