自句自解141 暑いなあ・・
暑いなあ三十度やて荒神坂
(あついなあさんじゅうどやてこうじんざか)2016・6月
加入していた俳句結社は東京周辺が活動の拠点であった。
北陸・中国・四国そして我々の阪神間と縁あっていくつかの句会が地方にもあったが、特に我々は初心者ばかりの集まりで、図書館で「句会の進め方」などという本を借りて来てのスタートだった。
それはそれで楽しかったが、指導者不在の句会は成長のスピードも遅かっただろうし
「こんなのでいいのかなあ」という不安は常に持っていた。
そんなモヤモヤを抱えてた頃、あるカルチャー教室のチラシに目がとまり
それから間もなく、この教室でも俳句を学ぶことになる。
先生は関西俳壇の某結社の同人。
15名のメンバーの内、私を除く14名がその結社に所属しておられたが、特に加入を強制されることはなかった。
あるとき、その結社の吟行にさそわれた。住まいの近くということもあり、主宰が来られるという事で100%ミーハー気分で参加した。
50名以上の参加者があり、皆さんてきぱきと手際よく段取りをすすめられる
一番驚いたのは主宰の選であった。
一人三句出句で合計150以上の句を短時間で、しかも選外も含め、全ての句について講評をおこなわれた。
あまりの鮮やかさに圧倒された。
驚いたことに私は3句とも採ってもらえた。ビギナーズラックである。
掲句は。3句のうちの二番目の成績だったが、私には一番勉強になった句である。
原句は「暑いなあ三十度やて荒神道」
先生は「道」を「坂」に添削された。
確かに「坂」だったのだ。坂にあるうどん屋から出てきたご婦人の大きな独り言をそのまま句にした。
「道」を「坂」にすると暑さが倍増することにハッとした。
この「三十度」は気温の事を言っているのだが(んなことはないが)坂の傾斜の意味にもちょっぴり引っかかり面白いではないかと勝手に思っている。
あまりの感動で「この結社に入ろうかしら」とチラリと思ったがとどまった。
後日、カルチャー教室の先生から「おたまさんが良いお成績で鼻高々だったわ」と面はゆい葉書をいただき
その月の結社会報の見出しに大きくこの句が使われた。嬉しかるかるです。
先日、この結社句誌が1000号を迎え、部外者の私にもプレゼントしていただいた。
子規直系という結社がほとんどない現在、歴史の重みを十二分に引き継がれた皆様のレベルの高さ層の厚さに圧倒されながら読み進んでいる。
今日は長くなっちゃったわ
読んで下さってありがとう。
本日の季語は 暑し(三夏)でしたっ!
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こちらは「おたまの未亡人日記」の旧ブログです
しばらくの間、俳句(自句自解)に特化して書きます
自分の覚え書きです。
2022秋
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