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2023年6月

2023年6月15日 (木)

自句自解153 昼寝して・・



 早っ!もう十五日ですわ。
月の前半の15日間にブログをUPするこのスタイルが定着してきました。
よくもまあ 忘れずに見に来て下さりありがとうございます。
月の後半は何かと忙しいので
(別に集金に回っているわけではない。だれがナニワ金融道やねん)この感じでちょうどエエです。

では、本日の句

 

   昼寝して大往生の夢みたる
(ひるねしてだいおうじょうのゆめみたる)2006・6月

 

 

季語・昼寝(三夏)
年がら年中、お昼寝をなさってる奥様は「え?夏の季語なの」とお思いでしょうがそうなんですよ。
暑さで弱った体をちょっと休ませて、体力を回復。
特に夏休みのお子ちゃまは炎天下に蝉取りなんかに行かないでお昼寝してね。
夏休みの円形グラフに2時から3時まで昼寝と書いておきながら実行したことのないアタシが言うのもナニやけど。

 

2006年。このころすでに「大往生」に憧れていたのかしら。
きっと、今より17歳も若いから現実味はなかったでしょう・・
いまなら現実味がおおあり名古屋だわよ。

どんな幕切れがいいかなあっていつも夢見ています。

 

飛行機のタラップの上から白いハンカチを振るのがいいな。少女時代の美空ひばりのように。

宝塚の大階段でもいいわ背中に羽根背負ってるの。鈴を鳴らしながら「それでは~これでお別れ~」って歌う。

あとは、これはちょっと前にも書いたけど
ストレッチ教室でひっくり返ったり裏向けになったりしたあげく武井壮似の先生が「は~いい。ゆ~~っくり起き上がりましょう」っておっしゃるのね。この時ですよ。ず~と起き上がらないの
「ひゃ!おたまさん〇んではる・・」
どうよ!これ。

 

などと、わーわー言うておりますうちに今月も終了
次の更新は7月1日予定です おおきに!


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2023年6月14日 (水)

自句自解152 苔清水・・



 

   苔清水明王さまは暗がりに
 (こけしみずみょうおうさまはくらがりに)2007・6月

 

季語・苔清水(三夏)は清水の傍題になっています。
天然に湧き出している冷たい水を清水というのですが、ここのはどうなんでしょ。ねき(傍)に井戸があるから井戸水が湧いてるのかな。
ちょっと調べてみませう。

 

大坂ミナミは法善寺横丁のお不動さんです。
大阪に遊びに来たらちょこっと寄ってあげてください。
お不動さん、苔まみれで立ってはります。

包丁一本さらしに巻いて無くていいです。
身ひとつで来て下さい。
こいさんもラブコール♡したはります
お月さんもこんばんわって言うてくれます。
(解る人だけにわかってもろたらエエんです。このブログ)

長い柄杓でお不動さんにお水をかけます
お参りの人がひっきりなしなので、お不動さんいつもずぶ濡れ
それでも黙って立ってはります。

わたし、お不動さんが好きです。
(スピ系の話は省略します)胡散臭くてかんにんどっせ。

 

松竹座に歌舞伎を見に行くときはちょっと早い目に家を出て必ずこのお不動さんにお参りしました。
コロナからこっち歌舞伎ほとんど行ってません(何回かは行った)
観たい人は、もう仁左衛門さまだけになってしまいました。

あたし、自分のブログ(ここも、メインブログのほうも)を読み返すことはあまりないです。
でも「歌舞伎」のカテゴリーだけは別です。
楽しくてうれしくて読み返します。一人で怒ったり笑ったりしています(怖いよ)
観劇記録残しておいてよかったわ。やっぱり歌舞伎すっきゃわ。
だから今の歌舞伎界、残念過ぎて泣けます。

 


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2023年6月13日 (火)

自句自解151 一人居の・・



 

   一人居のトマト一個を持て余す
 (ひとりいのとまといっこをもてあます)2012・6月

 

季語・トマト(晩夏)
日本語で蕃茄(ばんか)赤茄子(あかなす)と呼ばれるようにトマトはなすびの親戚なんですって
今のトマトは色々な品種があり、大きくて甘くてフルーツみたいです
ウチラが子どもの頃はトマト嫌いな子が多かったけど、あれは固くて青臭くて酸っぱかったから。
昔のこどもにとって「トマトが甘い?んなアホな!」です

 

地平線の果てまでトマトハウス
オランダ・ホーランド州のトマト畑はすごかったです
あれは畑ではなく工場。(写真を見てもらいたくて記事を貼ったけど、写真なかったわ!m(__)mゴメンナサイ)
海外の(ってヨーロッパしかしらないけど)トマトはほぼほぼ固くて酸っぱい。
生食ではなく調理して食べるのに美しく柔らかく甘く皮が薄くなる必要はない。
火を加えてどうなるかが重要です。


少し前の日本人はトマトを煮炊きするという事がなかったから生で美味しく、どんどん品種改良をしたのでしょうね。
生でたべる野菜はとんかつが寝そべっているキャベツの千切りとか、畑で捥いだ胡瓜に塩付けて食べるとか、井戸水にぷかぷか浮かべて冷たく冷やしたトマトをかじるくらいでした。
ちょっと前の日本の食生活ってそうだったのね。
野菜サラダってなものは1964東京オリンピックで日本に入って来たという事です。

 

先日、懐かしい言葉に遭遇しました。
「御飯ごしらえ」 祖母や母が使っていました。
「もう、ごはんこしらえたん?」「はよ(早く)ごはんごしらえしなさい」

いい言葉だなあ。
家族のために、煮て、焼いて、蒸かして、すり鉢であたって・・・

ふと、ごはんごしらえに「生野菜サラダ」は入らんなと思いました。
洗って切って入れ物に乗っけるだけだもんな・・

 

それで、上の句のトマトは真っ赤で大きくて甘くて、宝石の名前がついてます。
この前買ったのは桃太郎って名前で、その前はサントリーが作っているトマトだった。
大きすぎてアタシの小鳥の胃袋じゃ丸ごと一個を食べきれません。

 


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2023年6月12日 (月)

自句自解150 水際まで・・



   

   水際まで車椅子寄せ羊草
(みぎわまでくるまいすよせひつじぐさ)2013・6月  

 

季語・羊草(晩夏)
羊草とは睡蓮(スイレン)のことです。
下五に置くために五字の「ヒ・ツ・ジ・グ・サ」を使ったのですが、音数だけではなくこの言葉の持つ優しく穏やかなニュアンスが生きるのではないかと、そこまでかんがえてるねん。と誰も気づいてくれないから自分で言うときます。

 

近在の農家のグループの方々が第三セクター方式で菖蒲園を運営されていました。
名物の地産の手打ち蕎麦が評判で、同時期には美しい睡蓮の池も見事でした。
有名な観光園にはない、広い敷地とのどかな風景が気に入っていたのですが、コロナ感染拡大で閉園になってしまいました。頑張ってはったのに残念です。

その菖蒲園での句です。
睡蓮の池の周り、夫らしき方が奥様の車椅子を押しておられました。

 

 

〽妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ
 頃は六月中の頃 夏とは言えど片田舎~~

お里・沢市の愛情物語で有名な「壺阪霊験記」
あれも六月中の頃だったのね。
幼い頃ラジオから聞こえる浪曲で覚えたのだとおもうけど、しっかり覚えているモノです
しかし、片田舎は固い仲だと思っていた。
子ども心にそういう唄だとわかっていたんだわ。
おませなコタマちゃん。

 

夫がいなくなっちゃったので、こういう(羊草をみせてあげる)シチュエーションは望めない。いいもん!
若くて、ピチピチしていて、男前なサービス事業の職員さんに押してもらうもんね。
反対にあたしが「夫・ひっちゃんの車椅子を押すの図」は想像できない。
ムリクリに想像する。
池まで押す→誰も見ていない→足で蹴っ飛ばす→火曜サスペンス劇場
おお。何という恐ろしい・・・
身を挺して助け上げる→美談がニュースに→「こいつが蹴とばした」という彼の言葉を誰も信じないムフフ。

ヒマか?あたし。

 


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2023年6月11日 (日)

自句自解149 古すだれ・・



 

  古すだれ廃業告ぐる紙貼られ
(ふるすだれはいぎょうつぐるかみはられ)2010・6月

 

季語・簾(すだれ)三夏

ドンジャラホイ(仮名)ってアタシの所属するボーカルレッスンのグループなんだけど
いつも夜のレッスンなんです。
それでサッと集まってサッと散会するので、付き合いは長いのに、(とんでもない)苦(めったにない)楽を共にしているのに、皆でお茶したこともないんです。
遠方からやってきている夫妻がレッスン後、いつも帰路に食事をして帰るんだ・・という話を聞き
それじゃあ、参加できる人だけでも時々一緒にご飯をたべましょうよ。ということになった。

ところがところがです。
我が小さな小さな町には「お食事処」が極めて少ない。あっても20時には閉店しちゃう。
車で10分ほど走ればあるんだけど、夜も遅いし出来れば徒歩圏内でとなるとほとんどない。

それでも、昔はポツポツとあったんだよ。ポツポツだけど。
掲句は消えたその一軒。
ウチラ月一回の呑み会仲間の拠点にしていた店です。
あの蚊トンボみたいな板前さん今頃どうしてるんだろう・・

 

話はもどり、ドンジャラホイの晩餐会は
「うどんであなたを驚かせたい」と豪語する手打ちうどんやさんと
「ピザが自慢のパスタ専門店」ってどっちがおすすめ?と問い直したいチェーン店
の二店におのずから絞られ、かわりばんこに通っている
参加できる人だけって言ったのに、みんな嬉しそうに全員参加してる。

 


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2023年6月10日 (土)

自句自解148 どの店も・・



 

    どの店も弁柄のれん半夏生
(どのみせもべんがらのれんはんげしょう)2016・7月

 

奥様!「半夏生」(はんげしょう)ってご存じ?
夏至(げし)から十一日目に当たる日で今年は7月3日(旧暦6月15日)だそうです。

暦では季節を4つに12に24に72に区切ってそれぞれに名前がついているのだけど、昔の人はこれを目安に農事をおこない神様に祈ってきたのだそうです。
それらは科学的にも理にかなっていてすごいなあって思います。
で、「半夏生」は「この日までに田植えを終えなさいよ。梅雨が明けるよ。毒が天から降って来るので井戸に蓋をしなさいよ」といわれています。

今月の兼題が「半夏生」なんです。
ハッキリ言ってようわからんのです。
この日に「蛸(たこ)」を食べます。何もわかっていないのに昔から食べています(関西だけかな?)
だからどんな俳句を作ればいいのかもわからない。

記録を紐解くと、過去に2句作っていました。
なんやわからんのにつくってるんかいっ!

上の句は、クソ暑い時期に高速バスで一泊旅行に出かけたときのものです
この頃は「鍛錬会」と称して年に一度は一泊吟行をやっていました。みんな元気でした。
行きの道中で。宿について夕食前。夜。そして朝食前。観光地で。帰りの道中で・・最低でも5回は句会をやりました(アホやがな)
この時の行き先は「出雲大社」みんなが私・おたまの良縁を祈願してくれました。
ほんまに真面目にやってくれたのか??再婚話なんかひとっつもありましぇん。
ま。それはそれとして

帰路、岡山県高梁市の「吹屋地区」に寄りました
江戸時代から続くベンガラという赤い顔料が名産です。
屋根も壁もみんな赤く、街並みの独特な景観はどこか懐かしく温かいものでした。

染めやさんの入口に生えていた雑草。
「半夏生」と教えてもらいました。

だから、私の上の句は時候ではなく植物のほうの「半夏生」なのです。
本名は「カラスビシャク」
半夏生の頃に生えるので「半夏」と呼ばれるそうです。

半夏と半夏生の違いも判らず何気に作った句ですが
「半夏生」を知る読み手に「半夏生」と理解してもらい
なかなかエエ句やないの♡と言ってもらえた
困った一句です。

今日も訳の分からんはなしでしたか?そうですよね。
えらい すんません。

 

 

季語・半夏生(仲夏)


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2023年6月 9日 (金)

自句自解147 次次に・・



 

  次次に田水張らるる日曜日
(つぎつぎにたみずはらるるにちようび)2013・5月

 

季語・田水張る(初夏)
田水張る・田水引く代田の傍題になっている。
丁寧に耕した田んぼにさーっと水が引かれる。水が十分に行きわたり空の雲が田に映る。
あとは田植えを待つばかり。ああ。ニッポン!の風景。

  
こんな小さい国土にひしめく一億三千五百万人の胃袋を賄ってくれる。ありがたやありがたや。
ご先祖様!ありがと~~~

あたし、ナレーションがよく聞き取れない
「〇〇シタの頂点へ」って何いってるんですか?

 

(追記)わかりやした!「すがすがしさの頂点へ」でした。

 

新潟の農家さんから今年も「あいがも」の便りがやってきた。
可愛い雛が到着しました!って。写真が添えられている。
頑張って田んぼのお手伝いをしてね。
お手紙には、無事に田植えが済みましたという報告とともに、今年は離農者が多く、手付かずの田んぼがあちこちにあります。
とのこと。後継者不足なんだね。
掲句は我が町の景色を詠んだんだけど、平日はお勤めで日曜日に農作業をされるお家が多いです。

どないなっとんねん!農業政策。
我が国の食料自給率は37%っていうやないですか。
人災・天災なにが起きるやわからんのですよ。
と、国産大豆で作った豆腐のお味噌汁で朝ごはんたべながら怒る。

 

「々」この繰り返し記号(重字)は「ノマ」と呼ばれているが
私の、前の先生は俳句でこれを使う事を良しとされなかった。
ノマは「漢字」ではなく「記号」だから・・って。
こだわってはりました。

だから「次々に・・」ではなく「次次に・・」にしている律儀なあたくし。

 

 


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2023年6月 8日 (木)

自句自解146 蜘蛛の囲に・・



  

  蜘蛛の囲に搦め捕られし四歳児
(くものいにからめとられしよんさいじ)2016・6月

 

季語・蜘蛛(三夏)蜘蛛の囲は蜘蛛の巣のこと

2016年に四歳児だから、子の子goodboy(略してG坊)のことである
持って生まれた性質というものはやはり、神さまが「あなたはこう、あなたはこうね」とお決めになるのだろうか。
生まれ持ってのビビりである
生後半年で蝶々をみて発狂しそうになる。花火がこわい。チャンバラシーンでは「おねがいから~(や)めて~チュライ」とテレビ画面を叩いたのが2歳。
そこに持って蜘蛛である。丁度顔のあたりに蜘蛛の巣があったようだ。ひぇ~~と絶叫した。
可哀想なG坊・・・

もう引っ越して行かれたけど、近所にお人形さんみたいに可愛い女の子がいたのね。
並のお人形ではなく、もうこんな子見たこと無いというくらいの可愛さ。いつもフリフリのお洋服を着ていた。
幼稚園にいっていたから5歳くらいだったのかなあ。
その子が家の前で一人で遊んでいました。
熱心に足先を動かしている。
「〇〇ちゃん!何してるの?」と声を掛けようとして固まった。
彼女は蟻やダンゴ虫を一匹ずつ足先で捻り潰してたの。エイッ。エイッって。

神さまの仕業ねきっと。

まあ、よその子やからエエねんけどな。

 


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2023年6月 7日 (水)

自句自解145 夕端居・・



 

   夕端居何も戻らぬ巣の見ゆる
(ゆうはしいなにももどらぬすのみゆる)2012・6月

 

7~8年前かなあと思っていたが、句帳をめくってみるともう11年前の出来事だったらしい。
正真正銘の「空の巣症候群」を体験した句(;´д`)
庭の楓の木に鵯(ヒヨ)が営巣し雛が巣立って行ったことがある。一連の二週間を感動をもって観察した楽しい記憶がよみがえった。

というのも昨日の夕方、二階のmy hobbyroomの腰高窓・・この部屋は和室で窓は障子とガラス戸が入っている・・カサコソ・パタパタと音がする。見ると障子を通してヒヨの子(たぶん)が窓の外枠にしがみついているのが見えた。
驚かさないように障子の内側から
「それ、ガラスやねん。入られへんで」「お母さんどこに行ったん?」と訊ねてみた。

応答なし!
次にヒヨヒナ(鵯の雛)ちゃんは南側のベランダへ回り、そこでカサコソ・パタパタと音をたてていた。
かなんなあ・・あたしに羽根があったら教えてあげるのに・・

しばらくすると、ギギギギーという泣き声。
親御さんの登場である。
そしてベランダは静かになった。救助が成功した模様バンザイ。

季語・夕端居(三夏) 端居の傍題。夕涼みのため縁側や窓際でくつろぐ。一日の終わるホッとした気分。団扇(うちわ)金鳥の蚊取り線香。あと、風鈴なんかもチロチロ鳴ると完璧だわね。
エアコンでキンキンに冷えた部屋に暮らす現代人には昭和の映画の中の風景ですな。

 


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2023年6月 6日 (火)

自句自解144 湯上りの・・



  

  湯上りの電話蛍見のさそひ
(ゆあがりのでんわほたるみのさそい)2008・6月

 

季語・蛍(仲夏)
昨日「蛍」をここ(ブログ)で取り上げたら、偶然にもI男ちゃんからラインが入った
「もうたくさん飛んでるよ、見においで~」

実は15年前の掲句の電話もI男ちゃんの妻からのもので
あの頃は固定電話。今はラインだもんね

I男家は我が家から車で15分。家のすぐそばに小さな川が流れている
意外に知られていないが蛍は「清流」には棲まない。
ある程度の生活排水が必要だ

そう言えばここ何年も蛍を見にいっていないなあ
コロナ感染拡大で家にすっこんでいたのか?
夜に車を出すのがおっくうになっているのかしら・・

別のライン友から「え?もう?早いね」
早くないんだよ。蛍は毎年6月10日を中心とした前後10日間に飛ぶ
その事をみんな知っているのに
季節の速さに我々が追いつけないのだろう・・

前のめりに生きていた頃が懐かしいよ。

 洗ひ髪少し冷えきし蛍狩

も、この時の句。

 

 


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2023年6月 5日 (月)

自句自解143 川音の・・



  

    川音の高きに蛍ふえにけり
(かわおとのたかきにほたるふえにけり)2017・6月

 

蛍のシーズンがやってきた。
この町に越してきたおよそ40年前は蛍が珍しくて、嬉しくて町内のあちこちに出かけたものだ。
まだ街灯も少なく車の交通量も少ない川沿いの道は蛍の光を邪魔することなく楽しめた。

田に水が張られるとカエルの大合唱が始まる。
むせるような栗の花の匂い
近くの山でポキポキと折ってきた淡竹と掘りたての新じゃがいもと・・三度豆の炊き合わせ
これらすべてが6月を感じさせてくれた。

何でもかんでも「昔がよかったなあ」って思っちゃいけないのかも知れないけど
新聞に「蛍の名所」なんて紹介されると都会から大勢の人が虫籠を持ってやってきて
「蛍の夕べ」を売りにしている高級料亭は大型掃除機みたいなもので蛍を吸い込んで帰って行った。
住宅が増え、防犯のために街灯がふえ、車のヘッドライトが増えた。
ある年、自治体が「ほたる祭り」などと書いた提灯をぶら下げたが住民の猛反対で撤去された。

蛍の棲む条件が年々厳しくなるけれど
それでも、ジモティの特権で穴場中の穴場は知っている
どんな天気の日によくみられるか
時間帯はどうか、日にちをかけて「ほたる前線」がゆっくり北上する。我々見物人も共に移動する。
気温が高くなると蛍は高く高く舞い上がり、明滅の間隔が短くなる。
地上3メートルの藪の中でクリスマスツリーのように光る。
まるで「蛍川」と呼びたくなる光の帯に出会う位置も承知だ。

 

都会の人がもっとお行儀が良ければ教えてあげるんだけどね。
春になると地元の小学生が長靴で川に入って空き缶やごみを拾っているのを知っていたら捕虫網を振り回したりできないと思うんだけどね。

 

季語・(仲夏)

 


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2023年6月 4日 (日)

自句自解142 もう誰も・・



  

       もう誰も吾を叱らず夏大根
(もうたれもわれをしからずなつだいこ)2021・6月

 

季語・夏大根(三夏)
春撒きの夏に収穫する大根は奥様のおみ足のような見事な冬の大根と違い細くて小さい
しかも辛い!辛いのなんのって・・18歳未満には無理な辛さだ
しかし、冷たいお蕎麦に添えて、あるいは冷酒のお供にと大人ならではの味わいがある。

 

そういえばねえ。誰からも叱られなくなったなあ。
みんながあたしにビビってる?
かかってきたらコテンパンにのしてやるのに・・(これがいけないのか)
お山の大将・唯我独尊になっちゃったのか?
いやいや。みんなが諦めている?あるいは無関心?
叱る甲斐がない(いう事を聞かないから)

誰からも叱られなくなったら人間オシマイやね。
大根が辛すぎるので泣く。

 

 


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2023年6月 3日 (土)

自句自解141 暑いなあ・・



  

       暑いなあ三十度やて荒神坂
(あついなあさんじゅうどやてこうじんざか)2016・6月

 

加入していた俳句結社は東京周辺が活動の拠点であった。
北陸・中国・四国そして我々の阪神間と縁あっていくつかの句会が地方にもあったが、特に我々は初心者ばかりの集まりで、図書館で「句会の進め方」などという本を借りて来てのスタートだった。
それはそれで楽しかったが、指導者不在の句会は成長のスピードも遅かっただろうし
「こんなのでいいのかなあ」という不安は常に持っていた。

そんなモヤモヤを抱えてた頃、あるカルチャー教室のチラシに目がとまり
それから間もなく、この教室でも俳句を学ぶことになる。
先生は関西俳壇の某結社の同人。
15名のメンバーの内、私を除く14名がその結社に所属しておられたが、特に加入を強制されることはなかった。

あるとき、その結社の吟行にさそわれた。住まいの近くということもあり、主宰が来られるという事で100%ミーハー気分で参加した。
50名以上の参加者があり、皆さんてきぱきと手際よく段取りをすすめられる
一番驚いたのは主宰の選であった。
一人三句出句で合計150以上の句を短時間で、しかも選外も含め、全ての句について講評をおこなわれた。
あまりの鮮やかさに圧倒された。

驚いたことに私は3句とも採ってもらえた。ビギナーズラックである。
掲句は。3句のうちの二番目の成績だったが、私には一番勉強になった句である。
原句は「暑いなあ三十度やて荒神道」
先生は「道」を「坂」に添削された。
確かに「坂」だったのだ。坂にあるうどん屋から出てきたご婦人の大きな独り言をそのまま句にした。
「道」を「坂」にすると暑さが倍増することにハッとした。
この「三十度」は気温の事を言っているのだが(んなことはないが)坂の傾斜の意味にもちょっぴり引っかかり面白いではないかと勝手に思っている。

あまりの感動で「この結社に入ろうかしら」とチラリと思ったがとどまった。
後日、カルチャー教室の先生から「おたまさんが良いお成績で鼻高々だったわ」と面はゆい葉書をいただき
その月の結社会報の見出しに大きくこの句が使われた。嬉しかるかるです。

 

先日、この結社句誌が1000号を迎え、部外者の私にもプレゼントしていただいた。
子規直系という結社がほとんどない現在、歴史の重みを十二分に引き継がれた皆様のレベルの高さ層の厚さに圧倒されながら読み進んでいる。

 

 

今日は長くなっちゃったわ
読んで下さってありがとう。
本日の季語は 暑し(三夏)でしたっ!

 


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2023年6月 2日 (金)

自句自解140  犬小屋の・・



  

 

  犬小屋の空つぽなりし枇杷熟るる
 (いぬごやのからっぽなりしびわうるる)2017 ・6月

 

朝刊の漫画の主人公一家には「ポチ」という飼い犬がいて、大工仕事が趣味のお父さんがやたら犬小屋を改造したがっている。
そういえば我が家も、野犬の子・フクちゃんを拾ってくると、夫は真っ先に犬小屋を作った。
赤鉛筆を耳に挟んだりして鼻歌を歌いながら作った。
フクちゃんが大きくなると、いそいそと一回り大きく作り替えた。

先日、友人たちと「犬小屋って死語だよね」という話になった。
周囲を見回してもほぼすべての知人が犬を家の中で飼っている。小型犬のみならず大型犬もである。
子どもの頃から猫は家で、犬は外で飼うものだと思っていた。
猫はネズミを捕り、犬は番犬として、それが当然の役割だという考え方は美空ひばりや月光仮面や蒸気機関車とともに「昭和」のどこかに置いてきたのかもしれないな。


季語・枇杷(仲夏)
そうそう、ふくちゃんが天国へ行って犬小屋を取り壊した頃、庭の枇杷の木も枯れたんだっけ。
枇杷の実もどことなく「昭和のかおり」がする。
どこの家にもあった枇杷の木。そんなに美味しいとも思わなかった。
枇杷はもはや高級果物店でしか手に入らない

 

 


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2023年6月 1日 (木)

自句自解139 動き出すまで・・



2週間と3日振りのご無沙汰でございました。奥様、お元気?

 

「北朝鮮がミサイルを発射した模様です」と叫びながらマイク片手に若い女性が道を走っています
テレビカメラを振り返り振り返り走っています。
(*´Д`)ハアハア言うてます。
どこに行くんや?!なんで走ってるんや・・お仕事とは言え、この人自身もよう分かっておられんみたいです。
ただ、こういう図を撮らされている。
「計画通り発射したが失敗した模様」とニュース速報がでて 
さっきの女性はどないなったんやろ・・お白湯を飲みながら思っています。

怖いですねえ。色んな意味で。

 

  動き出すまで山椒魚見てゐたり
(うごきだすまでさんしょううおみていたり)2004・6月

 

季語・山椒魚(三夏)
中学一年の夏に転校したとき、こっちの学校では理科の「生物の分類」が終わっていて、だから私は義務教育でそれを習っていない。
ので、爬虫類やら両生類やら恒温動物やら言われても何が何やらわからんです。
サンショウウオはウオ(魚)っていってるのに両生類なんですってよ。ほんまかいなそうかいな。
私はヒレのあるのがオコゼで、ないのが山椒魚だとおもうけどオコゼは魚類です。
だから親戚でもなんでもないんです。
しかし山椒魚はちょっと好きです。

理科では習わなかったけど国語で井伏鱒二の「山椒魚」を習いました。
よく覚えてないけど、よく覚えています。

 

あれから幾星霜。
箕面川(大阪府)のちっこい石橋の上に
「あれは石やろか山椒魚やろか・・」と佇む元中学一年生。
山椒魚との対決です。

山椒魚ってホントうごきませんねえ。
ちなみにハシビロコウは結構動きますねんよ
ウワサほどにもないやつです。
ハシビロコウは鳥類。ペリカンの仲間。学校で習わなかったけど知っています。

 

得体のしれないモノ(山椒魚を含む)や、訳の分からん人に惹かれがちなアタクシですが
あの角刈り坊やにはほとほと困ったものだと思っております。

 


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