自句自解71 綿虫や・・
綿虫や芥絡まる橋の杭
(わたむしやあくたからまるはしのくい)2008・1月
「しょうもない」は「仕様もない」と書くそうだ。
つまらない、獲るに足らない、価値がない、どうでもいい
そんな、しょうもないものを面白がる癖が俳句を詠む人の特徴である。
かの坪内稔典先生は「還暦過ぎたら《どうでもいいもの》にこだわって生きよう」とおっしゃり
ご自身は「カバ」にこだわり全国津々浦々の「カバ」を訪ねておられる。
綿虫なんてその最たるものではないかと
私は思っていた。思っていた(過去形であります)
季語・綿虫(初冬)
どこから湧いてきたのか目の前に綿虫が漂っていることがある
掲句は淀川の河原。与謝蕪村が「菜の花や月は東に日は西に」と読んだあたり。
「綿虫」という呼び名は知っていたが、それが「雪蛍」「雪ばんば」と名を変えると
にわかにはかなくも美しいものに思える。
写生にも心理表現にも使えるぞ。なんていやらしいことを考える
ところが奥様!ご存じかしら?
この綿虫、ヒトの尿一滴で癌を教えてくれる検査キットとして注目を集めている。
ヒガシ(知事選落ちた人じゃない)こと、いつまでたっても少年隊の東山さんがテレビCMにでてはる。
何という優れものなのだ。エエ仕事するやん綿虫。
もう綿虫を「しょ~もなっ!」なんて絶対に言わんとこ。
俳句的にはちょっと扱いにくくなるんやろか・・・
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しばらくの間、俳句(自句自解)に特化して書きます
自分の覚え書きです。
2022秋
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コメント
綿虫、我が故郷では雪虫と呼んでましてこれを見るとそろそろ初雪だと大人は言ってました。この虫が癌の検査のお手伝いとはなんという優れ物、近寄って来たのを手で追い払ってはいけません、丁重におもてなしをしなくちゃあですね。
投稿: パコ | 2023年1月18日 (水) 03時01分
★パコちゃんへ
そそ。雪虫ともいうそうですね。きれいな名前。
その取るに足らない子の秘めた力にどんなきっかけでどんな方が気づき研究されたのでしょうね。
(私の記憶が正しければ日本人らしい)
すごいなあ・・
今こちらのテレビでは患者の少ない病気のためのお薬でも頑張って研究して開発していますよ
という製薬会社のCMが流れています。
裏を返せば「もうけに」ならない研究は後回しだったってことか?そんな分野にこそ国がお金をださなければいけないのでは?と強く思います。
投稿: おたま | 2023年1月18日 (水) 19時50分