父兄
平凡氏。彼は父性の人です。
幼い頃、周りの友達に次々と弟妹が生まれるのを指をくわえてみていたけれど、自分よりうんと小さいと思っていたソーイチロウに妹が出来た時が限界だったようで、
「阪急百貨店で赤ちゃんを買って来て」と迫られました。
そんなわけで、5歳半で弟・明星が生まれたとき、それはそれは喜び、
「お母さん!明星を産んでくれてありがとうボク、こんな赤ちゃんが欲しかっってん」と言ったものです。
オムツやミルクの世話、夕方になるとバギーで散歩、ご近所からは「おしん」と呼ばれていました。
オムツが取れた弟・明星はなぜか便器(おまる)に座ることが出来ずタンスや柱に摑まり足を硬直させて立ったまま用を足そうとするのですが、
そのつど、小学生の兄は新聞紙を下に敷き、トイレットペーパーを抱えスタンバイ。
「モーしなさい」とお尻を拭いてやり、雲ちをトイレに流し、後始末をしました。
ひっちゃん(夫)なんか、一度もしたことありません。
靴をはかせ、服を着替えさせ、友達の家には必ず連れていきました。
野球でも、サッカーでも仲間に入れてもらい
明星氏はいつしか「平凡ちゃんのおまけ」と呼ばれていました。
歩きつかれてムズカル弟を、
「あそこまで歩いたらおんぶしてあげるからな」と励まし、いつも、おんぶしていました。
小顔の平凡氏の顔の横からデカイ明星氏の顔がニュッと出ていましたっけ。
しかし、明星氏といえば、
(犬)の耳に洗濯ハサミをつける
(猫)の肛門にガムテープを貼る
おばあちゃんのごはんに輪ゴムを仕込む
昼寝の父親の鼻の穴に発泡スチロールを突っ込む
兄を「おまえなぁ・」と呼ぶ
そんなガキ 坊ちゃんに成長していました。
誰に似たんやろ!
「もう、明星のお世話はできません。おかあさんに返す」と漏らしたのは平凡氏が四年生のころでした。
しかし、後年、明星氏が校長室に呼び出されるときは、必ず自分も同伴するのです。
両親はテキトーなのに、ふすまの裏で説教するのは兄・平凡氏でした。
この、○○真面目さ。
ほんまに誰ににたんやろ!とひっちゃんと顔をみあわせたものです。
アノ苦労を再びしようとする、平凡氏!
(友人の手作りだそうです)
・・・・・
「明星のとき、こんなのがあったら良かったのになあ・・」
あんた、どこまで父性愛の人やねん。
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コメント
おたまちゃん、あたし泣きそうになっちゃった。
投稿: こく | 2012年5月11日 (金) 10時48分
こくちゃん
健気でしょ。平凡氏。
その割りに弟に感謝されず、煙たがられてる。おまけに、ケータイ代踏み倒されています。涙なくしては語れません。
投稿: おたま | 2012年5月12日 (土) 01時23分