自句自解351 また一つ塞がれし・・
また一つ塞がれし井戸ねこじゃらし
(またひとつふさがれしいど ねこじゃらし)2017・8月
実家の近くの大地主さん。
広い広い田畑を所有してはりました。
近所のお子が稲刈りの済んだ田んぼに蜻蛉(とんぼ)を追いかけて入り込もうものなら
「ここはウチの座敷や。あんたとこの家に他人が土足で上がりこんだら、あんたのお父ちゃんも怒らはるやろ!」と
子どもの首根っこを掴んで引きずりだしてはった・・おばちゃん。
おっちゃんは、おとなしい人で、怒り役は主におばちゃん担当だった。
借地も沢山お持ちで、月末になるとワイシャツ(ここらではカッターシャツといいます)の空き箱に五つ玉のそろばんと帳面と鉛筆をいれて、一軒一軒、地代(借地料)を集金して回ってはりました。
それから、10年も20年も30年も経ってこの国にバブル期が訪れた頃は大地主さんの家も息子さん夫婦に代替わりをしてはった。
気前よく土地の売買があり、大方の田畑は宅地造成され大きなスーパーマーケットとDIYの店と数えきれない建売住宅が建ちました。
昔からの地代の集金は銀行振り込みに変わったそうです。
上の句は
「こんど、アソコにまた家が建つんやて」と地元友に聞いて作ったもの。
「ほな(then)あの井戸どないなるの?」
「塞ぐんやろな」
「井戸の上に家を建てるんや・・」
「魂抜きとかお祓いとかちゃんとやらはるんやろか」
「さあね。業者さんまかせやからなあ」
蜻蛉を追いかけていた私も地元友もすっかり
風習や習わし馬鹿にでけへん。井戸には神さんがいはる(exist)と思うおばさんになっていました。
は~い、このお話はここまでね。
この後、井戸の上に建った家の運命や如何に・・
続きはゾゾッとしちゃうのでま・た・ね
と、もったいぶる
季語・ねこじゃらし(初秋)
ほな。
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しばらくの間、俳句(自句自解)に特化して書きます
自分の覚え書きです。
2022秋
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コメント
続きが知りた~い、ワクワクドキドキ。昔々わが家の裏にも井戸がありましたがどうなったのか記憶にないですが今はそこには家は建ってません。井戸はちゃんとしなくちゃあ駄目と(ちゃんとってどうするのか知らないのですが)は聞いてます。遠い親戚にも大地主さんが居ましたあの頃は集金して回り終わると又すぐ次の月になると嘆いてましたっけ。あるところにはそれなりの苦労がおありのようで、一度で良いからそういう苦労をしてみたかった~。
投稿: パコ | 2024年8月 3日 (土) 23時01分
★パコちゃんへ
それがねえ・・ここに書ききれないわ
新築で所有者が数回代わっているらしいのですが・・不思議な出来事が(以下略)
現状はもう何年も空き家の状態で建物はあるそうです。
お金持ちはお金持ちの苦労があるのですね。
投稿: おたま | 2024年8月 4日 (日) 18時38分