自句自解96 箱階段昇れば・・
箱階段昇れば広き雛の部屋
(はこかいだんのぼればひろきひなのへや)2008・3月
季語・雛の間(仲春)
同時期に
正面に比良の山見ゆ雛の間
が、あるので近江八幡市のひな人形を巡った時の句のようだ
近江商人の発祥の地ではその豊かな財力を物語るように江戸時代からの素晴らしいお雛様を拝見することが出来た。
ちなみに、この句「雛」を「ひいな」と読ませてリズムを合わせているが
今の自分はそれはやらない。
雛を「ひいな」
蛍を「ほうたる」
牡丹を「ぼうたん」
そういう使い方を私の先生が嫌われたので自分も避けるようになった。
雛祭りの時期になるとあちこちの雛飾りを見に出かけた。
その中で質・量ともに圧倒されたのは、なんといっても兵庫県龍野市の雛人形展である。
小さな市立博物館があまりにも閑散とした利用状況に危機感を抱き企画したそうだ
文化財級の所蔵品が多くの個人宅から貸与され、国立民族博物館等の協力も得て立派な図録も出来上がり・・
揖保川沿いの小さく美しい町がひな人形一色となった。
私が訪問した2004年は「三年にいちど」の雛展という事であったがその後この取り組みは中止となったようだ。
自治体の予算など難しい問題があるのだろう。まして人口減少による近隣自治体との合併話も出ていた
(現在どうなったのか存じ上げませんが)
小さな町に突然花開いたような「ひなまつり展」が忘れられない
その後、徳川さまの御雛様や芦屋の富豪のお雛様やらあちこち見せてもらったが
「もう、あれ(龍野)を見たら、他のおひなさまみられへんわ」
と、S子さんが言ったよう私も深くそうおもう。
まだカーナビもない頃、朝早く出かけたね
「お父さん(夫)が、おたまちゃんが迎えにくるから早く早くとうるさい」と文句を言いながら
そのお父さんに「財布は持ったか?水筒は?」と見送られながら出発。
楽しかったね。
S子さん今では「私。判る?」と聞いてもニコニコ笑うだけでうなづいてくれない
共有していた楽しい思い出を語り合う事はもうない。
悲しいけれどS子さんがニコニコしているのでそれでいい。
優しかった「お父さん」は相変わらず優しいし。
3月3日はブログ友、風のフェリシアさんが亡くなられた日です
風に向かって手を振ります
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しばらくの間、俳句(自句自解)に特化して書きます
自分の覚え書きです。
2022秋
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