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2023年3月 1日 (水)

自句自解94  鮊子の腹の紅・・  



春はどこから来るかしら・・
ここらあたりじゃ、何といっても「イカナゴ」ですよ。
どこの家でもお台所の換気扇からイカナゴを炊く匂いが流れてくる

おやまあ!もうそんな時期?うちも大急ぎで炊かなくっちゃ!
てなもんですわ。


お醤油とザラメと土生姜の割合とか、最後にハチミツを入れるとか山椒に限るとか・・
各家庭でそれぞれの味があり、この時期のお母さんったら腕まくりにねじり鉢巻きでイカナゴを炊く。
それはも~大変なんすから・・
どの家にもイカナゴを炊くためだけの(時々、おでんにも使う)大きなお鍋がありますの。
だいたいツルマル印のアルミ鍋やね。知らんけど。

春 すみれ咲き春を告げる
春 何ゆえ人は汝を待つ

ジェンヌさんがフツーに電車に乗ってる歌劇の街
ここ阪神間に棲息する主婦たちは

すみれ咲く春の夢 人の心酔わす甘き恋

に心をふるわせながら そう!イカナゴのくぎ煮を炊くのだわ
よろしくって!奥様!

 

  鮊子の腹の紅すきとほり
(いかなごのはらのくれないすきとおり)2007・3月

 

・・・・しかしながら
もう・・それは遠い日の夢・・

この数年、いかなご炊いてません。
ここ5~6年、不漁続きでね。
漁獲量の減少で「いかなごのくぎ煮」は超高級料理になってしまいました。


3㎏・4㎏と炊いて親戚中に発送していたイカナゴ
1キロ・800円くらいで買えたのに、去年は4000円/1キロしてた
そんなの食べたら口腫れる・・・
庶民の奥さん(わたしのこと)手ぇ出えへん。

こんな事で環境省の「日本のかおりの風景100選」に選ばれるわけがない!
悲しい・・・

季節の楽しみがどんどん無くなる・・

  昼網のいかなごを買ふ列につく

 

 

季語・鮊子(初春)

 


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自分の覚え書きです。
2022秋

 

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俳句」カテゴリの記事

コメント

その昔友達の所に来たのをお裾分けで頂き、何て美味しいものかと感動しました。ご飯がすすむんですよね、懐かしい。送ってくださった方が彼方に逝かれ私の環境も変わりでもう何年も口にしてませんが昨今のニュースで値も上がりとありました、そうやって季節が失われていく残念ですね。

投稿: パコ | 2023年3月 1日 (水) 23時41分

★パコちゃんへ
そうそう。ホカホカのご飯のうえにちょこっとイカナゴをのせて何杯でもいけちゃう( ´∀` )

獲れなくなった原因はなんと!海がきれいになったから。なんですって。
下水道の整備で汚水や生活排水が海に流れ込まなくなりました。
そう言えば小さな島でも水洗トイレだし水道の水は太いパイプが海の底潜って本州からやってくるってききました。
イカナゴの餌が発生しなくなったのです。
自然のサイクルに変化が起きたのですね
喜んでいいのか悲しんでいいのか・・です。

投稿: おたま | 2023年3月 2日 (木) 10時26分

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