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2022年12月 4日 (日)

自句自解52  聖菓切る・・・



 

   聖菓切る書類嵩なすオフイスに
(せいかきるしょるいかさなすおふぃすに)2018・12月

 

休日出勤させられた女事務員さんが、山積みの書類を抱えて叫ぶテレビコマーシャルがある。
「昭和かよっ!」
彼女は今では死語となった「OLさん」でバブリー時代の色濃くのこる前髪下ろしのお揃いのベストの制服。

そうなんですね。
今どきこの風景はあり得ない
髪の型ではなく、「紙の書類」なんて・・
帳簿という言葉も死語なのかな。

・・・・・

季語・聖菓(仲冬)
菓ではなく菓。クリスマスケーキのことです。
歳時記に季語として採用していたり、してなかったりのようですが
Xmas=ケーキを食べる日だった昭和のこどもにはビンビンと胸に応える季語なのです。

 

年末の仕事で皆が気ぜわしくワチャワチャしているオフィス。誰かがケーキを買って来た
大きな大きなケーキ。
もしかしたらお得意様のお歳暮代わりの差し入れかもしれない。
山積みになった書類の、その山の天辺にケーキを置く。

しばし手を休めてみんながケーキの周りに集まる。

・・・・・・・・

 

バタークリームで作ったバラの花がカチンコチンだったクリスマスケーキ
なぜか仁丹の小粒のような銀色のものがくっついていた。
ケーキなんて、あ~た。めったに食べられなかった
そんなクリスマスケーキ。ああ昭和。
はやくお嫁に行かなきゃ25日のケーキって言われた

馬鹿にするんじゃないよ!昭和め。

 


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