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2022年9月13日 (火)

自句自解16  秋日傘預けて・・・



 

  「秋日傘預けて入りぬ美術館」
(あきひがさあずけていりぬびじゅつかん)2010・9月

 

日傘を入り口で預けて美術館の中に入りました
ただそれだけの句である。
誰もが詠める、出来事を述べただけに過ぎない句。
どうという事のない句。

でも
それでいいのだ。と言ってもらえる。

 

手持ちの歳時記(3冊)を繰っても「秋日傘」という季語は載っていない。
季語は流動的で取り上げる人の考えにもよるので、載っている本があるかもしれない。
ここでは 季語は(三秋)といっておこう。

なんでもかんでも「秋」をつければ季語になるのかというとそうではない。
「秋パソコン」「秋すずめ」「秋茶碗」・・・

でもね、「秋日傘」はたとえば「秋扇」「秋簾(すだれ)」のように
充分に季感を伴う言葉だと私は思っています。

 

秋日傘といっただけで「残暑」だとおもう。
夏の日差しとはまた違った太陽の強さ。
しかし、空気は十分に澄んでいる。美術館へ行こうと思ったのは暑さがほんの少し和らいだからだ。そんな心のゆとり。
ちょっぴりお洒落をしてきたのにレースのブラウスが少し汗ばんでいる。
館内は冷房が効いている。中に入るとやはりホッとする。
傘を預けたときのように・・・。

自分で言ってしまえば身も蓋も無いが、読む人が好きに読んで下さる。それでいいのだと言ってもらえる。


「上手い事言うたった」「感心させてやろ」「どやさ~」
と言う句は読み手には共感してもらえない。
引いて、引いて・・・

 

引きすぎて「ただごと俳句」になってしまうこともあるけどね。
そこがむちゅかしい。

 


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