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2012年8月 7日 (火)

渡海屋/大物浦


baseballbaseball


おまた~~~
お待たせいたしました。

って誰も待ってはいないと思うけどね。

  「役者の汗拭いて黒衣の畏まる」 おたま
(やくしゃのあせふいてくろこのかしこまる)季語・汗

clover

義経千本桜「渡海屋/大物浦」のつづきです。

壇ノ浦で平家一族が滅んだあと、

戦功第一の人であった源義経は兄・頼朝の不審を買い、都を離れることなるのでございます。
ここら辺の事情は、後白河がテキトーなヤツだったとか、義経も調子こいとったとかいう話をしたら、前回みたいに脱線しまくりますので、端折ります。

義経は大物浦(尼崎市)より九州は大分をめざしますが、大嵐に会い、急遽、逃亡先を吉野に変更することになります。

ここまでは、史実の事実らしいでっせ。うん。

この時の、太陽フェリーでも欠航やな!みたいな大嵐は、壇ノ浦に沈んだ清盛が四男・平知盛の亡霊のしわざでは・・なんてね。どっひゃ~。

clover

たられば・・
は、所詮、ゆめまぼろし・・だから、お芝居になる。

もし平家が負けていなければ・・
知盛が生きていたとしたら・・・

奥さん。知盛さんは生きてはったんやし・・。
大物浦の船宿・渡海屋のご主人がそうらしいよ。
ほんで、奥さんは典侍局(すけのつぼね)。
あの、可愛いお嬢ちゃんは実は男の子。
安徳帝やねんて~~どっひゃ~。

そこへ、飛んで火にいる、義経ご一行。
やったる!いてもうたる!

「こんな、天候。無理やろ」といっていた義経らを、だまくらかして船を出し
幽霊装束に変装し義経に襲い掛かる知盛さん。

が。

ここで、勝ってしまったら、歴史が変わる。
知盛、破れ、碇と共に身を投げ海底に沈むのでありました。

clover

我々(観客)は知盛が既に死者であること、隆盛を極めた平家が滅んだことを知っています。
史実をふまえて観るこのお芝居は「滅び行くものの哀感」を呼び起こさせ、知盛の妖気・凄みがその哀しい魂のしわざであると感じるのです。
それ故に凄絶な最後は、せつせつと、胸にせまってきます。

血みどろの体に大碇を巻きつけ海へ投げ込む。
太い艫綱(ともづな)がするすると海底へ沈んでいく。
その時間の長さは、海の深さだ。
そして、このわずかな後に知盛の体がもんどりうって、絶望の海へ引きずりこまれることを我々(観客)は知っている。

「さらばでござる~」

そう言っているのは、知盛なのか・・・
播磨屋その人が、このまま海底へ沈むような気がして、
劇場内は水を打ったように静まりかえる。

いやぁ~。

歌舞伎って、面白いっす。ホンマ。

clover

 

渡海屋銀平(平知盛)吉右衛門 女房お柳(典侍局)魁春
源義経梅玉  弁慶歌六  相模五郎錦之助
 入江丹蔵歌昇



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映画・歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

待ってました!
義経千本桜はバラバラに出されるから、
時系列がわからなくなります~。
あの大碇を巻きつける場面が強烈で、
歌舞伎ならではの演出ですよね。
吉衛門だったのね。いいなあ~。
敵味方入り乱れて、実は誰それだったというのがおかしいです。
子どもの頃の歌舞伎中継では、そこん所がさっぱりわからなくて。
今は解説ばかりで、肝心のお芝居を見せてくれてない。
そうそうNHK、こらーっです。

投稿: ばんび | 2012年8月 7日 (火) 23時44分

知盛さん、岩の上で頑張るよね。
もういいよ、いいよと思うんだけど
引っ張るよね~。

>知盛の妖気・凄みがその哀しい魂のしわざであると感じる

なるほどね。
勉強になりましたsign03

投稿: kimi | 2012年8月 8日 (水) 08時25分

baseballばんびさん
このお芝居、セリフの調子もいいのですよね。記事には書いていませんが、安徳帝をした女の子がとても、うまかったです。
7歳くらいかなあ。

baseballkimiさん。
あそこが見せ場やからね(笑)
吉右衛門は大きかったですね。口の中が真っ赤でね。
ご本人も「いつまでできるか」と言っておられるようですが、見られるうちに見て、よかったです。

投稿: おたま | 2012年8月 8日 (水) 14時30分

baseballkeseraseraさま
(  ̄^ ̄)ゞラジャです。
ボチボチね。

投稿: おたま | 2012年8月 8日 (水) 14時34分

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