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2012年7月13日 (金)

荒川の佐吉



大阪松竹座七月大歌舞伎・昼の部を見てきました。

「江戸絵両国八景」荒川の佐吉

二人の名優が同じ板(舞台)の上で一度に見られますねん。
おたま、もう・・オペラグラスで右向いたり左向いたり、ああ。忙しい。

中村吉衛門&片岡仁左衛門。
いっぺんに、まとめてだっせ・・

も~~~あにさん。どうしょっ!

お話は
やくざの子分佐吉(
仁左衛門)が亡き親分の孫である赤ん坊を預かり育て、凋落した一家を立て直すまでになるが、その子の行く末を思い、親元に返し自分は長い旅にでる・・チャンチャン。ともうお話はおわるのだけど、

まあ、聞いてくだせえ。

この卯之吉という赤ん坊。さる大店に嫁いだ姉娘(芝雀)が生んだのですが、生まれながら目が見えないためネグレクトに遭っちゃったんです。
じっちゃんである親分は金ほしさに赤ん坊を引き取ったものの、いかさまバクチで殺されちゃう。
叔母にあたる、妹娘(孝太郎)も「やだ~」とドロン。

そもそも、佐吉さん。
妹娘が好きでこの家業に入ったわけで、
元は江戸は職人の華、大工さんなわけです。

生まれながらの不良少年、弁天小僧でもなければ、
単純すぎてやたらスカッとしてる、いがみの権太でもなければ、
風姿さわやか気っぷが売りのめ組の辰五郎でもない。

なんちゅうか。暴走族のいっちばんオケツから
ラッタッタの50CC原付で付いていく中学生みたいな存在。

ま、三下奴ってわけです。

・・・・・ところが、見る人が見れば、三下奴ながら「大きくなる」男だと言われている佐吉さんなのであります。

男心に男が惚れる・・そんな男って・・
情愛深く、義理堅く、真直ぐなやつ・・
作者、真山青果、描くところの男の美学はただただ、「まっとう」です。

佐吉は忠義もんには違いないが、それ以上にお乳欲しがるこの子、卯之吉が可愛い。
カタギの友人辰五郎(又五郎)に支えられ、「ちゃん」と呼ばれて早七年・・

そこへ、跡取りに恵まれない大店から「子を返せ」との話が・・仲立ちは、佐吉にとって恩ある相模屋政五郎(吉衛門)でありました。

歌舞伎って、時代物によく見られる「んなアホな」という話が面白い。
パラレルワールドが歌舞伎の魅力でもあると思うねんね。

そいった意味から、こういう、新作もの、特に、なんちゅうかなあ。

情緒が滲みすぎるっていうか、全てがリアルである、いわゆる「芝居にまみれた芝居」(って勝手におたまが思ってるだけですが)は、あまり好きではないのです。

しかし、そこは仁左衛門さん。
人情ドラマのべとつきも、観る人をしらけさせることなく、まあ、そらあ泣かせてくれました。
はい。おたま、泣きましたよ。ぐすんぐすん。

卯之吉への愛情。辰五郎との友情。はい、泣かせていただきました。

先々月の南座同様、歌昇改め、中村又五郎の襲名興行なのですが、今回のミッテル君(又五郎)すごく良い役をされていて嬉しかったです。

別の出し物、「棒しばり」も、文句なしに楽しませてもらいました。

あと、ひとつの出し物「引き窓」ですが、
もし、興味がおありで、「あらすじ」を知りたいな~という方、このブログの「歌舞伎カテゴリー」のどっかに書いたとおもいますので、テキトーに探して読んでね。役にはたたないと思うけど・・

濡髪長五郎(我当)、これから河内国へ逃亡せんならんのに・・・おみ足。
心配です。



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コメント

おたまちゃんはフットワークがいいね
いつまでも元気でいてね

投稿: poo | 2012年7月13日 (金) 08時03分

おたまさん
私も8日に行ってきて
泣きました( ´艸`)プププ

仁左衛門さん、いいわ~

又五郎さんも良かったよね

投稿: kimi | 2012年7月13日 (金) 13時43分

pooさん
足腰、つおいからね
でも、行ったこと忘れて、又行くんだなこれが・・・

kimiさん
泣きましたか。おお、よちよち。
最初の立ち回りはぼてぼて、されてて心配したけど、アレも計算だったのね。
だって、素人上がりの三下だもんね。

来週は夜の部、行ってきま~す。
碇知盛。めちゃ楽しみです。

投稿: おたま | 2012年7月14日 (土) 00時32分

光輝くんは大きくなったね。子供のころから
この子はできるなって思ってました。

おたまさん贅沢三昧。
やっぱり私、準会員にもなれそうにないな…。

投稿: ばんび | 2012年7月16日 (月) 07時56分

ばんびさん
光輝君と呼べるばんびさんは、いったいお幾つなのでしょう。
おたまの中では、ばんびさんの方がうんと、お姉さんですがね(笑)
子どものころからコロコロしてたけど、全然変わっておられません。お顔もあのままです。

贅沢なこった!と自分でも思います。
昔から、歌舞伎見るために働いていたようなものです。今は時間が自由になるので、好きなときにいけます。
あれも、これも手にいれことはできません。こうなったのは、ぜ~んぶ、ひっちゃん(夫)のせいです。ぐすん。
入会お待ちしています。

投稿: おたま | 2012年7月17日 (火) 08時49分

 あの光輝君が名跡の又五郎を継いだのに感涙の極み。 
この前までの又五郎さんとはずいぶん体格が違っちゃって笑えますけど。
私、又五郎さん大好きでした。
もうちょっと年取っておたまさんに追いついたら
会員入会申込書を送っていただきますね。 
へ?私の方が年上ですか?う~~ん。
そうなるのかな?そのうちカミングアウトします。

投稿: ばんび | 2012年7月17日 (火) 21時18分

ばんびさん
やはり「又五郎」の名は残さなきゃという考えなのでしょう。人間国宝だからね。
中村系で見渡して、この方だったのでしょう。
じゃ、吉右衛門を継ぐのは・・・ってまあ、ウチラも生きてないと思いますが。

投稿: おたま | 2012年7月18日 (水) 08時59分

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