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2012年5月12日 (土)

ひまわり



古い映画が上映されていたので見てきました。

「ひまわり」1970(伊)
Himawari
あの「自転車泥棒」や「終着駅」の名匠デ・シーカの作品です。

これ、リアルタイムで観ていないんですよね。
有名すぎて観ていない。
カラマーゾフの兄弟を読んでいないようなものやね。

戦地から戻らぬ夫(マルチェロ・マストロヤンニ)を待ち続けた妻(ソフィア・ローレン)は探し訪ねたロシヤで夫と再会するが彼には新しい家庭があった・・

抗いようのない別離。そのことだけに焦点をあてた単純・シンプルなあらすじ。
それだけに、二人の心のひだが良く、見えてくる。
声高に「反戦」を叫ばなくても、観る者に戦争の理不尽さを教える。
そんな、映画でした。

ソフィアローレンは美しい人です。
シーン毎に様々な表情を見せてくれます。

先ず、輝くような若さの出会いの頃。

次にロシアを訪れた最初の登場シーン。旅鞄を提げて地下道から出てくる彼女の変貌にハッとさせられます。
ひっ詰めた髪に白いものが混じり・・。

セリフの中に「スターリンは死んだ」(=ロシアを訪問できる)というのが出てきますので戦後8~10年は経っているという設定でしょうか。

待ち続けた夫の「今」を知り、逃げるように帰国。

そして、どうでもいいような男のバイクの後ろに乗っかった彼女は。まるで別人のよう・・。

いい女優さんだなあと思います。

別離の舞台として、ミラノ中央駅が登場しますが
ほんまに、絵になる。素晴らしい。

2・3日前の新聞に大阪駅の屋根の改修が終って、透明ガラスからジオラマを眺めるとまるで、ヨーロッパみたい・・・って書いてあったけど・・

こっぱずかしいよぉ。

戦後に生きる我々、少なくとも、おたまは「敗残兵」は決して「落伍者」では無いと思うのだけど、それは時代に生きた当事者にしか判らないことなのだろう、外国の兵士も日本人と同様の感覚であることが映画から窺えて、そのことは少し意外でした。

南方の島。中国の奥地・・・日本人の「マストロヤンニ」はきっとたくさん居られただろうと思います。

1970年の映画がもう一本上映されていました
「いちご白書」。これはリアルタイムで観ています。

観る予定は、無い。
アノ頃の時代の空気・・思い出すだけで切ない。



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コメント

ソフィア・ローレン大好きです。
ひまわり見ました。凄い映画だと思いました。
マストロヤンニは他の映画だと、なんかにやけてる感じがちょっとね、と思いますが、
この映画のマストロヤンニはさすがでした。
どうしようもないいたたまれなさっていうのがわかるようになったのは、最近です。

投稿: ばんび | 2012年5月12日 (土) 02時51分

おたまさんも昔はソフィア・ローレンのように美しかったのでしょうね(笑)

投稿: poo | 2012年5月12日 (土) 17時20分

子供のころテレビで見た記憶があります。
口と胸の大きな女の人がひまわり畑を走り回る、
あの映像は衝撃でした
ソフィア・ローレン、乙女心になぜか気になる女優さんでした

投稿: kimi | 2012年5月12日 (土) 20時47分

ばんびさん
今では考えられないくらい無駄のない映画だったと思います。
マストロヤンニやっぱり、にやけてますよ。さっさと帰国すればよいものを!
それじゃ、映画にならんですわね。

pooさん
(笑)←これは、いらん。

kimiさん
昔の女優さんって、外国人も日本人も魅力的ですよね。
あの、ひまわりの下にはおびただしい数の屍が埋まっているのですよね、地平線のかなたまで・・・

投稿: おたま | 2012年5月13日 (日) 00時21分

両方ともリアルタイムで見ました。

写真を持って、訪ね歩いてる時のソフィアローレンって、こんなに暗い顔してたのですね。

イチゴ白書はもういいけど、ひまわりは又見たいですね。

投稿: ちがや | 2012年5月13日 (日) 23時02分

ちがやさん
刺激的でスピーディな今の映画に慣れている人は、どう思われるのでしょう。
内容も「今はそれぞれに、よろしくやってるんだから、別にいいじゃん」とロビーの若者が話していました。

おたまは、この映画で思うところは「特別の話ではない」というところです。
世界中で似た話はたくさんあっただろうし、それを生み出すのが「戦争」であるというところです。
平凡でリアルです。
現実として受け止めるのは、やはり世代間の相違を感じてしまいます。

投稿: おたま | 2012年5月14日 (月) 10時07分

すごく見たくなった。明日仕事が終わったら借りてきます!ありがとう。

投稿: Ryoko | 2012年5月17日 (木) 14時50分

Ryokoさん
おたまは、「ひまわり」よりも「ソフィアローレン」を見たくて出掛けたので、この映画一押し!ってわけでもないねんよ。
ゴージャス&セクシーという言葉はこの人のためにあるんじゃないかなとおもいます。
ひまわりは地味だけど、「動く」ソフィアローレンが見られて、声も聞けて、大満足でした。

投稿: おたま | 2012年5月18日 (金) 06時29分

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