ほおずき
これを小さな竹の虫かごに入れると、
秋らしい素敵な置物になります。
ほおずきは漢字で「鬼灯」「酸漿」と書き、秋の季語です。
上の「水つけ」ではありませんが、繊維質を少し見せて虫に食われているのを「虫ほおずき」といい、秋のあはれ、深まりを思わせます。
「鬼灯は実も葉もからも紅葉哉」 芭蕉
但し「鬼灯の花」は仲夏の、「青鬼灯」は晩夏の季語。
浅草寺の「鬼灯市」は四万六千日・六千日さまと呼ばれ夏の季語になっています。
一つの植物でも、時間の流れにともない、「風情」が変わっていきます。
その風情に会った「名」をつけて季感を楽しむのは日本独特の文化でしょうね。
鎮静剤や虫封じ、癪に効くほか堕胎薬として用いられたと知ると「ほおずき」の向うに、様々な思いが重なります。
可愛い姿、色、人形にして遊んだり、口に含んで鳴らしたり・・・子どもの玩具なのに、どこか懐かしく、もの寂しいのどうしてでしょう。
「鬼灯のはなやをさなにおもひびと」 森澄夫
長いこと生きてますが、一度もほおずきを鳴らしたことはありません。
鳴らせないことは無いと思うのですが、
種を取り出すまでに破いてしまうのです。
ハイ。あたくし、短気です。
そんな、辛気臭いこと無理ですわ。
初めて出た句会の兼題が「ほおずき」でした。
どうしよう・・どうしよう・・困ったな・・
窓から外を見ると、有刺鉄線に葛の花が巻き付いていました。
だから、今頃の季節だったのでしょうね。
・・・・・・
俳句をしていると、たとえば、シャッターを押した時のように、時間を切り取ってそのときの景色や感じたことや心持を覚えておけます。
鬼灯を手にすると、あのときの皆さんのあたたかい気持ち(歓迎の)を思い出します。
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コメント
ほうずきは お精霊さんの行燈だとばあちゃんが云ってました。
お盆には必ずお供えします。
子供の頃 六原のお寺にお精霊さんを迎えに行くと露店には、水を張った貝殻にきれいな海ほうずきが売られていました。
毎年買っても 鳴らす事が出来ませんでした。父は上手に鳴らせましたが きれいな音では、なかったと記憶していますが、
そういえば四条の大橋の上では 時々小さな回り燈楼。ホタル。竹の籠に入ったコオロギを買って貰いましたね。
都が有った頃? いえ昭和30年代です。
投稿: youko | 2011年8月23日 (火) 20時21分
市電が走っていた時代ですね。
今の京都、人が多すぎません?歩く速度が速すぎません?
四條大橋でこおろぎ売ってたら踏み潰されると思うわ。
さすが、都や「うみほおずき」も出ているのですね。サバ街道通ってはこばれたんやろか・・
おたまは、いまだ、「うみほおずき」を見たことがないのですよ。
投稿: おたま | 2011年8月24日 (水) 07時52分