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2011年3月 3日 (木)

盟三五大切②



縁きり物の傑作といわれる、「五大力(恋緘)」。
この、お芝居をベースに、あの「仮名手本忠臣蔵」を織り込み、さらに忠臣蔵の数あるバリエーションの一つである「東海道四谷怪談」を振りかけたのが、今回の「盟三五大切」というお芝居なのです。

なんのこっちゃ、わからんでしょうが、三枚のカードをシャッフルして独特の劇空間を作り上げるのがこの芝居のおもしろさです。

ってな、講釈をたれたところで・・・

誰が悪いのでもない

誰のせいでもありゃしない・・・・・

最初のボタンを掛け違えただけ・・・・

でも、あえていうなら・・浅野の殿様 あんただよ

オマエ様が短気起こして、松の廊下で刃物振り回すから、なんでもかんでもお芝居になっちゃったじゃないか。

大胆不敵のシナリオライター・鶴屋南北が「五大力」と「忠臣蔵」と「四谷怪談」をない交ぜにして、パロっちゃったもんだから、観客はドロドロの人間の欲望の淵を覗くことになるんだよ。

証言その一

ハイ。私、深川芸者の小万でございます。
泣いた男がバカなのかだました女が悪いのかって。
そりゃあもう、悪いのはこの私でございます。

だって、しょうがないじゃん。
ウチのダーリンがどうしても100両のお金が要るっていうのよ。
それさえあれば、実家の勘当が解けるっていうじゃない。
彼のパパがねどうしても100両入用だっていうの。なんでも・・・亡君のあだ討ちがなんたらかんたら・・・

だから、アタチ喜んで芸者になったの。

そうそうアタチね亭主持ちなの。もちろん内緒よ。
そのダーリンと悪仲間で一芝居打って、あのひと、薩摩源五兵衛から、100両を騙し取っちゃった。
そりゃあ、後味は悪いわ。
でもね。腕に彫った「五大力」にまんまと引っかかった彼もお馬鹿さんよね。
恋のからくり夢芝居って梅沢富美男の歌の文句にあるじゃないよねえ。

それでね、ダーリンが、そんな「五大力」けったクソ悪いといって「三五大切」って細工して書き直しちゃったの。
ダーリンの名前?そう、三五郎っていうんだ。
(ちがやさん。ここ大事よ。ついてきてね)

五兵衛さん。ごめんね。
わたしゃ「三五」が「大切」なのさっ。

証言その二

ハイ。私、薩摩源五兵衛とは仮の名の実は赤穂の浪人、不破数右衛門でございます。
大事な御用金を泥棒に取られ金策に走り回っていたのですが、心優しい叔父が不足の100両をくれましてねえ。おお。おお。これで主君のあだ討ち。そう、討ち入りに加われると喜んだのもつかの間・・・

大事のマエに女ごときにうつつをぬかし。
まことに持って面目もござらん。
その大事の100両。騙し取られたのですよ。

(おかげで、忠義者の若頭八右衛門には悪いことしちゃった・・・。
思い出しても涙がちょちょぎれるので、この話は明日にするわ)

お笑いくだされ。小万の色香にまどわされ・・っていうのも「五大力」なんて腕に彫ってくれてね・・・ハイ。だまされました。
よってたかってね。
にっくきは三五。あいつが小万の情夫だったとは・・・
それにもまして憎いのは小万。可愛さ、あまって憎さ百倍ってね。
このうらみ・・・晴らさで・・・

ふられた男がカッとなったら・・・コワイでえ~~
罪作りおたま、よくここまで命が永らえたもんやわ。

深い恨みは人を変え・・・いよっ 松嶋屋 !

さあ。ここからが、この芝居、最大のみどころ
二幕目第二場、「五人切の場」となるのでございます。

月あかりに浮かぶ丸窓をあけて忍び込んできたのは・・
残忍な色を目にたたえ、悪の色香を月に放つ

片岡仁左衛門さま  きゃ~~っ

まるで一幅の絵のような。
美しい。怖い。美しい。怖い。どないやねん

こってり凄惨な殺しの場面。
歌舞伎の様式美を堪能します。

ってなことで、続きは明日
(気が向いたらね)



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コメント

はい。
明日まで待ちます。
第一の疑問の五大力が三五大切に変革したのがよく分かりました。

おたまさんのは
本よりずっと面白いです。
もう松竹座に行ってみてるみたいです。

投稿: ちがや | 2011年3月 3日 (木) 12時27分

ああ、たいへんだ!おもしろい!
おバカな私は何回も読み返して、ああ、そうか・・・

なんだか、紙芝居待ってるみたいな気分。

是非明日も気が向きますように。

投稿: こく | 2011年3月 3日 (木) 21時41分

「なんば」で地下鉄下りて 豚まんの匂いかぎながらえびす橋まで来ました。
あっ おたまさんの「松竹座」や。新しい「松竹座」。
座席は花道のそばです。待ってま~す。

投稿: ゆたんぽ | 2011年3月 4日 (金) 03時43分

ちがやさん。こくちゃん。ゆたんぽさん。
まとめて、ごめんやしておくれやして、おくれやす。
おたま、記事を書きますに、舞台を思い出し、よだれがでて、困っておりますの。
公演は25日くらいあるんだけど、それも昼夜でしょ。役者さんは一回、一回の舞台に全身全霊をかけてはるのがすごいです。
この日は舞台正面、前から10列目のベストポジション。表情も良く捕らえられます。
老眼やから・・・ほっといて!
それでも、オペラグラスのぞきます。
いやな、客やなあ・・。

だらだらと、長い話読んでくださって、ありがとうございました。

投稿: おたま | 2011年3月 4日 (金) 09時15分

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