« 買い初め | トップページ | 初づくし »

2011年1月 6日 (木)

悼・中村富十郎



長谷川櫂の新春詠に驚いた。

 「海老蔵の切った張ったや花の春」 長谷川櫂

もし、この、海老蔵が当代のことであるならば
「冗談はよしこさん」と言わせてもらう。
どこが、花で春であるもんか

酔っぱらいのチンピラがボコボコにされた。
人間国宝を自称する大うつけである。

人間国宝が名前だけでなれるなら、
わしゃ税金はらわんぞ!

真の人間国宝の訃報が飛び込んできた。

中村富十郎

30年前、歌舞伎っておもしろいなあと思わせてくれた人だ。
ごっつい、おっちゃんが「かむろ」になれば、童女としかみえないのである。

「おたまちゃん、どの役者さんが好きなん?」
と聞かれたら、迷わず「富十郎」と答えた。

歌舞伎チケットは当時(今でも)主婦のお小遣いで、まかなうには高額だった。
映画なら何本も観れる。食事もできる。お茶も飲める。
だから、「損」をしたくなかった。

富十郎なら、安心して「元をとれる」
満足させてもらえた。
「この人が出るなら見ておきたい」そう思わせる役者であった。

息の使い方、継ぎ方、台詞回し。目の使い方。

もう、25年くらい前になるか、「円熟期」の勧進帳・弁慶を見ておけたことは幸せだった。

しばいは勿論のこと、踊りのうまさにもひきつけられる。
見ている間は時間が止まっているような感覚に陥った。

松竹座杮落としの寿三番叟。

勘九郎(当時)との共演であったが、踊りの名手と言われる勘九郎が「罰ゲーム?」と気の毒になるくらいであった。
若々しさ、ダイナミズム、楽しさ・・・格が違った。

実力では歌舞伎界の頂点に立つと言われながら、この世界いろいろござるらしい。
傘下・一門に加わらずとも本領を発揮できる役者はそういない。
逆もまた真で、実力も無いのにマスコミ人気で番付に上がる者もいる。興行の世界だから仕方無いのかもしれないが。

中村富十郎

非門閥でありながら際立つ実力で人間国宝となった。

海老クン。人間国宝って、そういうことなんだよ。

おたま、ホントに寂しい。



|

« 買い初め | トップページ | 初づくし »

映画・歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

匿名さま。
アカウントで入ろうとするのですが、承認されません。少し時間を空けておじゃまします。

投稿: おたま | 2011年1月 6日 (木) 12時22分

突如、まかりこしました!
昨年ヘルブラウさんの珍企画「紅白」で「おたまさん真似せんといてや!」と書いたところ「おたまちゃんのブログ、オススメでっせ」とのヘルさんの売り込み(笑)に
興味深々、覗いてみたものです。
面白い!元気になる!入場料払います(笑)。
反面
「冬空や鴉咥えしもの赤き」
の一句に参りました。ほんとうはこのような佇まいの方だと思います。
ご無礼しました。

投稿: NANTEI | 2011年1月 6日 (木) 19時41分

NANTEIさま。
ようこそ、おいでくださいました。
じゃ、請求書はヘルさん経由ってことで(笑)
審査員席では、座布団は舞う、おひねりは飛ぶと、にぎやかでしたが、よう遊ばしてもらいました。
おたま。ここで、地味にこつこつやっとりますので、
今後ともオッキガルに遊びにきてくらはい。

投稿: おたま | 2011年1月 7日 (金) 08時12分

テレビのニュースで知りましたが、いま東京で坂東玉三郎が舞台に出ている。
「阿古屋」という芝居で玉三郎が琴と三味線と胡弓を弾いていて、ニュースではその役をこなせる役者は現在では玉三郎しかいなくなったと解説していた。

そのニュースを見ていて、あの時のあれは阿古屋だったのかなと思いました。
大昔のことです。NHK教育テレビで歌舞伎の話を見てました。そこで、たぶん故中村歌右衛門だったと思うのですが、胡弓を弾いていた。
それがすごい演奏で圧倒されました。歌舞伎のことも胡弓のことも何も知らないひと(含む小生)が見ても驚いてしまうような演奏でした。
前衛バイオリニストか、ジミ・ヘンドリックスみたいなアバンギャルドな演奏。

まあ、たぶんこれからも小生は人生で歌舞伎の舞台を生で見ることはないだろうけど。

投稿: もんどのすけ | 2011年1月 7日 (金) 10時31分

もんどのすけさん。
海老蔵の代演として「阿古屋」が掛かると知ったとき驚きました。
歌舞伎界が今度の事件をどれだけ大きく受け止めているか、
一肌脱いだ玉三郎に男気を感じました。
これで海老蔵、松竹は玉三郎に大きな借りが出来ました。(当事者はどう思ってるか知らないけど)

それほどの、演目です。
女形の卒業論文と言われています。

おたまもこの「阿古屋」見ています。
玉三郎初演の翌年だったと思います。
初演で爆発的な人気を博したのです。多分今回3回目じゃないかなあ・・

芸の巧みさだけでは演じきれないえんもくです。大きさ(貫禄)と華とキメ細やかな
心理がわかる人でなければ出来ません。
歌舞伎界の至宝と言われた歌右衛門をテレビで見られたそうですが
59年12月に中継が入っているのでそれかも知れませんね。
歌右衛門は戦後12回阿古屋を演じています。

歌舞伎サウンドはおっしゃるようにアバンギャルドですよ。
玉三郎の胡弓、泣けます。

投稿: おたま | 2011年1月 8日 (土) 08時21分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 悼・中村富十郎:

« 買い初め | トップページ | 初づくし »