« あきのうれひ | トップページ | ノンちゃん雲に乗る »

2010年10月19日 (火)

成瀬巳喜男・驟雨



大阪や神戸にまで行かなくっても、近くのシアターで映画が見られるようになりました。車で行けるし、こじんまりとして、音響もいいし、シートもゆったり。

そのうえ、楽しい企画が色々あって、今回は「きらめく日本映画の女優たち」です。
で、原節子を二本。まずは・・・

成瀬巳喜男監督(1956年公開)驟雨を見てきました。

出演・原節子・佐野周二

東京近郊に住む夫婦の日常を描いて秀逸とされる作品です。

映画の内容や論評はその筋の方にお任せして。

若い(?)おたまにとっては、おぼろげな記憶にある、時代の風景が新鮮で楽しんで観ることができました。

倦怠期を迎えた結婚4年目の夫婦の部屋には。
ちゃぶ台。火鉢。ラジオからは浪曲。
家の内外に井戸のポンプ。夫の室内着は丹前です。

舗装されていない商店街、
あこがれのトースターが1500円で売られています。
お買い物はゲタ履きです。

新婚旅行から帰ってきた姪の香川京子のスタイルも、昔の雑誌からぬけでたみたい。
最近はジーンズで海外にいくもんね。
昔は、ハレとケがはっきりしていた。
若い女性の、きちんとした服装って美しい。

隣に越してきたのは小林桂樹・根岸明美夫妻
ハイカラな奥さまの洋装は「人差し指が帽子をかぶっている」と陰口をたたかれます。

選挙目当てじゃないのと勘ぐる向きもある、「平和会議」という名の町内、臨時招集では
「町会っていうと戦時中に戻ったみたいだ」という会話。
この町内会の場面がなんともちぐはぐで面白いのです。

数字(金額)がよく出てきます。
グリンピースの瓶詰めが25円。一人分じゃ12円50銭。これなら、鮭の切り身が買えるわ。とのこと。

リストラの退職勧奨金は10万円ですって。

共演は加藤大介・伊豆肇(きれい!)・長岡輝子・塩沢とき他。この、塩沢ときさん。予備知識がなければ誰だかわからなかったです。

平凡なサラリーマンの夫婦者の何気ない日常が良い作品になるのですね。
これでもかこれでもかみたいな脚本に慣れている現代人はどう見るのでしょね。

おたまにとっては、

全編通して、おへその辺りがむずがゆいようなユーモアに溢れ、
懐かしの風景満載の素敵な映画でした。

そうだ、立ったままお茶漬けを掻っ込んでみよう!
だって、原節子もやってたもん。



|

« あきのうれひ | トップページ | ノンちゃん雲に乗る »

映画・歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

昔の映画を観ると
筋よりも周りの風景や洋服、しぐさなどに目が行きますね。
最近でも「3丁目の夕日」や「ゲゲゲの女房」の時代考証が懐かしく観てしまいました。
年をとったのかな・・・
すっかり昭和の女になりました。
洋画でも「ローマの休日」や「旅愁」など古いイタリアの町並みや風景が見られてゆったりとした時間が流れます。
近頃の映画は次から次に事件が起こりCG技術で目が回りそうです。

それから余談ですが、東京では阪神タイガースの話題は一部の大阪人か熱狂的なファンがしている程度です。(どつかれるかな・・・)
何年か前に友人と大阪生まれのご主人と家族で夕食中にTVで巨人阪神戦を観ました。余りの熱心さに閉口しました。最後には六甲おろしまで歌う始末です。彼とは2度と阪神戦の時に夕食は一緒にしないことにしました。

投稿: スマイル | 2010年10月19日 (火) 18時05分

スマイルさん。
タイガースが勝った翌朝は、国歌(六甲おろし)斉唱と万歳三唱のあとに朝ごはんをいただきます。その後ジョーシン電機でお買い物(5パーセント引き)です。

ここ一番という時に絶対負ける可愛いやつです。アホな子ほど可愛いという言葉はタイガースファンの為にあるようなものです。どうか、関東一円の皆様の、もう一押し、もう一声のご声援でダメトラを押し上げてくださいませ。

原節子の「あそこのお肉屋さんは秤の目盛りを外に向けているから信用できる」というセリフ・・・。時代ですネエ。

投稿: おたま | 2010年10月20日 (水) 08時36分

おぼろげな記憶にある、時代の風景・・・・・
同じ世代でしょうか?

原節子さんの映画は、小津安次郎監督の「東京物語」と黒澤明監督の「わが青春に悔いなし」を観ました。どちらの作品も説得力のある秀作でした。それにしても、あの原節子さんが立ったままお茶漬けですか?(では、私も..?)


投稿: 読者A | 2010年10月20日 (水) 14時00分

読者A様
同じ監督でも、原節子をマドンナとして描いた小津に比べ成瀬巳喜男はリアルな女性としての原節子に魅力を感じていたようです。
この映画の主人公が原節子そのものであるわけでは、もちろんないですが、自分をさらけ出すのが演技なら、非常にチャーミングな方だと、思いました。

豪快にうどんを食べるシーン。
考え事をしながら編み棒を動かすシーン
どれをとっても素敵でした。

投稿: おたま | 2010年10月21日 (木) 08時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 成瀬巳喜男・驟雨:

« あきのうれひ | トップページ | ノンちゃん雲に乗る »