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2010年7月30日 (金)

妹背山婦女庭訓・2

恋の苧環(おだまき)くるくると・・・

苧環は糸巻き。このお芝居の重要アイテムです。

橘姫の衣に留め付けた赤い糸。
この糸を手繰って追いかけてきたのは、青っ白男の求女(もとめ)。歌舞伎ではいい男はみんな「顔色が悪い」真っ白けです。
そんな求女の衣に白い糸を留め付けて、やってきたのは、酒屋のお三輪ちゃんでありました。

アナタ ナゼ アタシカラ ニゲル アル カ !

「憎い」は「恋し」の裏返し。

「も~。求女ちゃんったら。私と約束したくせに、ちょいときれいなお姫さんをみると、コレだ。めっけたら、言ってやるんだ」

「びびびびび~~」 (アッカンベー)

そんな一途な町娘の前に立ちはだかるのは

あんた、そんな格好してるけど絶対、おっさんやろ。
イヤ、おっさんに違いない・・

まるで・・・

マツコ・デラックスのような御殿官女の集団。
ひーふーみーよー・・・・怖いよう。色んな意味で。
松の助さん。ええわ~。ど迫力。

ここからがこのお芝居の見どころです。

男のいけず(意地悪)はみっともない、女のイジメは見苦しい。
オッサンのような官女たち、お三輪を虐めまくります。

恋しい男に会いたい一心で耐え抜くお三輪のいじらしさ・・
「ささ、詠うてみや。詠うてみや~」と胸元を小突かれた、孝太郎(お三輪)の目から涙がぽろり・・

  いいぞうっ!  松嶋屋っ!

可憐で小さい、たった一人のお三輪に対し
どデカイ官女の集団。虐めの激しさが、お三輪の一途さを際立たせます。
計算されつくした演出です。

御殿侵入もママならぬ、お三輪の耳に入ってきたのは「求女と橘姫の婚礼」話
しかも。本日。

えーっ。ウソやろ。んなあほな・・・
わたし、裏切られたの???そんな・・

「しどい!」 モトイ 「ひどい!」

嫉妬の形相すさまじく御殿に乱入していくお三輪。

そんな彼女には、更なる悲劇が待ち受けているのでありました。

このあと、芝居はもうひとつの見どころにはいります。
ここでは、歌舞伎の力強い様式美をたっぷり堪能できます。
ま、お三輪ちゃんには気の毒だけどね。

だって、彼女、見ず知らずの男に無惨にも殺されてしまうのよ。
その、理由たるや・・・・・・

     ・・・・・・・・言わないよ・・・・

お三輪・孝太郎     橘姫・春猿
求女・
段治郎      官女梅の局・橘三郎
官女桜の局・
松之助  おむら・翫雀
金輪五郎今国・
愛之助

もひとつの演目「御浜御殿綱豊卿」ですが
江島役の笑三郎さんがそれはそれは美しく、気品があってうっとりしました。


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コメント

おたまさんの歌舞伎の解説はいつも最高です!

妹背山婦女庭訓は観た事がありませんが、テレビのサスペンス劇場観ているようで本当に楽しいです。
舞台は艶やかな衣装と華やかな装置と照明、夢の世界へ誘ってくれますよね。

私はミュージカルと宝塚の舞台を観ると暫らく現実の世界に戻りたくなくなります。

投稿: スマイル | 2010年7月30日 (金) 08時59分

おたまちゃん、おっはよう!、
松竹座さんはおたまちゃんに舞台の端の、でも目立つ所に一席設けて、
ほら昔の映画館の弁士様のように活躍させて欲しいと想いました。
それは松竹座の繁栄にかなり貢献するものだと確信しますぅ~・・・どやっ!

投稿: ヘルブラウ | 2010年7月30日 (金) 17時19分

スマイルさん。宝塚の公演は決まって前から2列目の席でした。踊りで前へ出てこられたら、香水の香りがファーと漂いました。
まばたきで、付けまつげの音がばっさばっさと聞こえるような・・(気分)

スターさんと目が合ったとか言っては大騒ぎ・・・

歌舞伎との違いは「あこがれ」のあるなし
かな・・・と自分なりに分析しています。

投稿: おたま | 2010年7月30日 (金) 23時21分

ヘルさん。やだ。弁士なんて。
だったら、綺麗なおべべ着せてもらって「姫」になりたい。それも、バリバリの肉食系の。
「おお、持病の癪が・・」とか言いながら、いっつも発作を起こして介抱してもらうの・・・どやっ!

投稿: おたま | 2010年7月30日 (金) 23時30分

初めまして。
うばゆりさんのブログ経由でお邪魔しました。
お休みする前から読ませていただいてました。
とてもテンポが良くて洒落ていて楽しくて
毎日 お邪魔していました。
再開されてとても嬉しいです。
私はトントントンと話が出来なくて仲間にはいってコメントが難しいですけれど大フアンです。
これからも宜しくお願いします。

投稿: 百合子 | 2010年7月31日 (土) 00時19分

百合子さん。はじめまして。コメントありがとうございます。
ずっと、読んでくださっていたのですね。

じゃあ、あんなことも、こんなこともご存知なのね・・・
キャッ! 穴が無かったら掘ってでもはいりたい。

地球の反対側に出るまで掘り続ける所存にて
おたまに会ったが百年目とあきらめて、ずっとお付き合いしてくださいね。

投稿: おたま | 2010年7月31日 (土) 07時57分

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